カテゴリー「厚生労働省 村木厚子さんの冤罪」の記事

2010年3月27日 (土)

村木厚子氏の冤罪事件 第15回公判傍聴記 (転載)

村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋 に、3月24日に行われた第15回公判の傍聴記が掲載された。この傍聴記を第一回から通して読むことで、郵政不正疑惑という、村木氏を犯罪者に仕立てた冤罪事件(検察による犯罪)の真相を、誰もが認識できる。
いずれ書籍として出版されることを心から希望している。

以下、ナミねぇ(竹中ナミ)さんと江川紹子さんの傍聴記 を転載する。一人でも多くの方にこれらの真実を伝えていただきたい。


<ここから転載>

「厚子さん第15回公判傍聴記 by ナミねぇ」

3月24日(水)厚子さん第15回公判傍聴。
昨夜からの雨が止まず、べちゃべちゃ降ってる。晴れやかな公判になって欲しいけど、あの林谷検事の続きなので望むべくもなし。しっかり見て、聴いて、書き留めようと思う。

今朝も東京から江川紹子さんが駆けつけて下さった!ありがとう!
ホンマに心強いです(^Q^)/^
すっかり紹子さんと顔見知りになった厚子さんが、紹子さんを見つけて微笑みながら弁護団席に座る。
グレーのスーツに、エンジのとっくり姿で、少し痩せた感じなのが心配やけど「頑張ろうね!」と、心のなかで厚子さんに話しかける。

10:05、林谷検事出廷。
林谷検事の、今日の証言の特徴は、尋問に対して必ず「はい、はい、はい」と、とても軽く返事を返してから答えること。
子どもの時「はい、は一度でえぇ!」と言う躾を受けなかったのか、それともわざとなのか、いずれにしても、耳障りなことこの上ない。

弁護側尋問開始。今日は弘中弁護士事務所の若手弁護人が尋問に立つ。
まず「メモの破棄」について。「あなたは証人のプライバシーのため破棄したと言ったが、そのメモをコピーしたり、他人に見せたり、持ち歩いたりしたことは?」
林谷検事「仕事中は持ち歩くが、コピーや人に見せたりはしない。自宅にも持ち帰らず・・・といってさほど厳重に管理していた訳じゃないんですが」と、めんどくさそうに答える。

弁護士「プライバシー保護と言いながら厳重に管理していなかったと?」。林谷氏「はい、はい、はい・・・」弁護士「河野、塩田、村松、北村、全ての証人の取調べメモは、同時に廃棄したのか?」林谷氏「はぁ、そうだと思います。」

弁護士「メモを破棄することは指示があったり、相談したうえでのことか?」「それは、ありません。」「他の検事も、メモを全て破棄してますよね。」「はぁ、他の人のことは、知りません」「どのように破棄したのですか?」「コピー機の隣にある・・・役所のシュレッダーです。」

弁護士「供述調書には無いが、メモには書いたということがあるのでは?」「重要なことは、おおむね調書にしてますよ。」「消したり書き加えたりは?」「具体的に覚えてないが、主旨や文言が変われば前のを消して書き直します。」「どのような内容について書き直したか具体的に話して」

林谷氏「よく覚えてないが・・・」と言いながら聞き取りにくい声で何かだらだらと喋る。弁護士「書き加えたことを、具体的に」「よく覚えてない・・・」またもや「だらだらだら・・・・」。「破棄してなければ、供述の変遷が分かったのではないですか?」「はいはい、そうかも・・・だらだらだら・・・」 今日も聞き取りにくい、早口小声。

弁護人「調書を残してない日は、どんなことを取り調べたのか?」「前の日の確認か・・・場面の確認とか・・・むにゃむにゃ」「5月31日も、6月1日も3,4,5日も無いですね」「はぁ。同じようなことです。」「プライバシーに関する事って、どういう事なんです?」「はいはい、河野氏の場合事件に関係ない、交際相手とか、人間関係とか女性の名前とか・・・」と林谷氏。

弁護士「破棄してしまったら、事件に関係あったかどうか分からないじゃないですか。前回の出廷で、メモは証拠開示の対象と知っていたと言われたが、シュレッダーにかけるまさにその時にも、その事は知ってたんですよね」 弁護人の厳しい追及に「はい、はい・・・」とだんだん小声になり、林谷氏は最後に無言となってしまった。
でも「メゲてる訳やないですよオーラ」を全身から発している。要するに「スネてる」のね。

「河野被告の弁護人からは、メモを破棄しないようにという申し入れを受けてますよね」「はぁ、そうだと思います」「裁判長、河野氏の弁護人の申入書を提示します!」弁護人が声をあげると裁判長が頷き、河野被告の弁護人からの申し入れ書が、廷内のディスプレイに写しだされる。弁護人が読み上げる「くれぐれも破棄されませんように。破棄すれば証拠隠滅に該当する・・・この申し入れ書は見ましたよね」「はいはい、当時見たと思います。」林谷検事は悪びれもせず平然と答える。

「これを見てどう思いますか?」と聞く弁護人に「基本的に私は捜査応援なので、私のメモは本件が終われば関係ないものですから。」傍聴席に、呆れたぁ!という雰囲気が漂う中、弁護士は落ち着いて聞く。「検察は、厚労省の江波戸室長が上司に送ったメール(取調べ内容を上司に報告したメール)を、上司が削除したことを、押収したパソコンのデータに基づいて証拠隠滅で取り調べてますね!?」林谷氏「それがどうしたオーラ」発散。弁護人が畳みかけるように聞く。「あなたのしたことは、証拠隠滅ではないと?!」

「そのような証拠を押収したと思うが、取調べは私じゃないですよ。自分が取り調べるのじゃなければ、そんなに深く(証拠書類を)読んだりしません。」「取調べ調書は、検察官どうしで共有してると言ったじゃないですか。裁判長、証人の記憶喚起のため、調書を提示します。」弁護人が厚労省関係者の書面を林谷検事に手渡す。ディスプレイに写しださないのは、その書面に(取調べに関係ない)個人名が入ってるからとのこと。

「記憶が蘇りましたか?」と弁護人。「いいえ、記憶にありません。」と林谷氏。
「このような(上司へ報告の)メールを削除しただけで、証拠隠滅で取り調べた検察官が、自分はメモを破棄しても証拠隠滅じゃないと?」弁護人が迫る。「思いません」平然と答える林谷氏。「証拠隠滅の罪になるのでは、という不安感も無いの?」「はいはい。」「それはあなたが検察官だからですか?」「いえ、自分のメモですからね。」あきれ果てた弁護人が声を大きくして言う。「証拠開示というのは、被告人の防御のために必要なんですよ!」「はいはい、そういう意味もあるでしょうね。」シレッと答える林谷検事。

万一、こんな検事に取調べられた時の事を想像して、ちょっと吐き気を覚える私。

「あなたは供述調書を作成し、署名を求める時、どのようにするんですか?」「被疑者の横に立って、調書を指差しながら・・・」「裁判長!」弁護人が声を張り上げる。「状況を明確にするため、再現を求めます!。」裁判長が大きく頷く。弁護人の一人が被疑者役として証言席に座り、その横に「ゴツイ体格の」林谷検事が、立つ。「書記官からプリントした調書を受け取り、こうして机の上に置き、その調書を指差しながら読み上げて・・・」と林谷検事が説明しはじめると、裁判長がそこで驚きの一言。

「その角度では(傍聴席から)よく見えないので、机の位置を変えて、やり直して下さい。」
裁判官たちが座るひな壇の上に置かれた机が、証言スペースに降ろされ、傍聴席と直角に机と椅子が並べられる。林谷検事が机の上の調書に指を当てると、彼のがっしりした身体が被告人役の若い弁護士の身体に被さるようになり、かなり威圧感を与えるのが、はっきり感じられる。
「横に立たないと署名させられないんですか?」と弁護人。「いえ、座ったままでも・・・」もごもご言い訳する林谷氏。

わぉっ!横田信之裁判長、ナイスですやんっ。今日は座布団5枚差し上げますっ!!!

取調べ調書署名の再現が終わり、弁護人が再び聞く。「あなたは大声を上げることもあるそうですが、どのような意図で?」「被疑者が事実と違うことを言うからですよ。検察官には分かってるぞということを伝える時や、おかしい事をおかしいという場面では声を大きくしなければならないでしょう。」「村松氏は、取調べ開始から2-30分で証言を変えたそうですが、初対面の人に、2-30分の取調べで声を大きくしたんですか?」「はぁ。」と実に不満そうな声で応える林谷氏。

「河野氏の取調べには、どんな資料を示しましたか?」弁護人が、質問内容を変える。「本人が使ってた花柄のノートとか、通帳とか・・・平成16-17年に何をしてたか分かるものを色々。契約書とか・・・」「本件に関係ないものも?」「関係なくても、当時のことが分かるものなら何でも。」「で、石井議員の厚労省への口利きを裏付ける資料は、有ったんですか?」「ダイレクトに裏付けるものは無かったですね。」「河野氏が、厚労省から郵政公社に指示を依頼した具体的な資料は?」「記憶にありません。」「無かった?」畳みかける弁護人。「はい・・・」。さすがに「はいはい」ではなく、でも憮然と応える林谷検事。

「あなたは河野氏に、保釈金の話をしましたよね。」「・・・」「河野氏の弁護人の保釈請求書には金額が入ってないんですが、検察の意見書には・・・」検察の意見書がディスプレイに投影される。「保釈金100万円に相当する、と書かれてるが、これはあなたの判断?」「それは・・・主任検事(前田検事)が判断されます。」「あなたが意見を述べることはないんですか?」「はい」「拘置所で取調べたようですが、勾留が10日ですむとか、長くなることもあると言ったそうですが?」「記憶にありません。」「大阪地検には、録音や録画の装置がありますよね?」「はぁ・・・」「河野氏に、検察をなめるのか、とか一泊か二泊かして行くか、などと言ったそうですが・・・河野氏の弁護人から、録音・録画の申し入れを受けてましたよね?」「記憶にありません」「申し入れに応えなかったのですよね?」「はぁ・・・」「その後、再度申し入れを受けてるはずですが、録音・録画をしてませんね。」「はぁ・・・」
う~む、弁護人から直接催促されても、可視化をする気は無いということやね、大阪地検。

ここで、尋問が弘中弁護士に交代。
弘中氏がメモの破棄について聞く。「メモは聞きながら取るんですか?」「聞きながらテーマごとに分けて・・・」と林谷検事。「テーマごとといっても、初めは何も分からないですよね?」「はいはいはい。後で分かるように、1とか2とか分けてですね・・・」頭上で指を振り回しながら応える林谷氏。「どうやって分けるの?」「後で調書に写す時に。」「別の日に、まとめることもあるんですよね?」「はぁ」「消すこともあるんですよね」「はいはい。」「供述が変遷したり、揺れることもあると思いますが、消したら分からなくなるでしょう?」「日にち、もともと書いてませんから。」「いや、内容を消すと追及できなくなるでしょう、と聞いてるんです。」

「覚えてますよ、ささいな事は書かなくても・・・」「ささいかどうか、後で分かることもあるでしょう? そもそも、メモと調書の内容は同一のものと言われたが、メモが重大なものでないなら、なんのためのメモなんですか?」「追認材料ですよ」「(あなたから)雑談も話しかけますよね?」「はいはい」「それが雑談かどうか、被疑者に分かると思いますか?」「話の流れで分かるでしょう」「それはメモする? しない?」「したり、しなかったり・・・」「それじゃぁ、メモと調書は必ずしも一緒じゃないじゃないですか。」「はいはいはい。」

林谷くん、その「はい、はい」は止めてくれへんかなぁ。私がオカンやったら「どの口が言うてんねん! この口か!?」って、ほっぺたヒネったるのになぁ。でも1回目の出廷では普通に「はい」と言うてたのに今日は「はい、はい」。これって、どういう心境の変化??

この後、弘中弁護士は、塩田氏の最初の取調べで、塩田氏が業者や自民党議員からの金品の授受があることを林谷検事が言ったことについて「贈収賄で取り調べる可能性もあったのか」と聞く。「贈収賄の可能性もあると思った」と林谷氏。「公的証明書偽造事件の取り調べと言いながら、いきなりそれ?」と弘中氏。「いや、それを聞いたのは午前ではなく、午後ですよ。」と、脅しではないと言いたそうな林谷氏。「塩田氏が、石井議員から電話を受けたかどうか思い出せない、と言ってる時に贈収賄の話をする意味は?」「むにゃむにゃ・・・」言葉を濁す林谷氏。「相手が萎縮して、自分の主張がしにくいのでは?」と弘中氏。「金品もらってて萎縮しなけりゃ、おかしいでしょう!?」と開き直る林谷検事。

「で、村木さんや厚労省関係者はすぐ逮捕されてるけど、塩田氏の逮捕の予定は有った?」「それはなかった」と林谷氏。「色々疑惑は有ったが、その時点で確認できなかったので・・・。」石井議員の電話を受けたとか、村木課長の関与を言わせるための脅しだとは、絶対認めようとしない林谷検事。
弱みがあると、こうして「他の人を陥れるコマにも使われるんやなぁ」と、実感。

その後、塩田氏が名前を出した元大臣秘書官に「裏取りはしたのか?」と弘中氏が聞き、「その時はしていない。後日東京のほうがしたようだが、正直に話せと言われたという塩田氏の証言どおりであった。」と応える林谷氏。

ここで午前の尋問が終わり、午後は弘中弁護士から「塩田氏の交信記録」について尋問があったが「交信記録など残ってないのが常識だ」と林谷検事は言い放つ。しかも交信記録についての会話は「雑談の中で出たことなのでメモも取っていない」と言う。そしてあくまで交信記録の話は塩田氏から出たものだと。「取れないのが常識なら、おびえている塩田氏にそう言ってあげても良かったのでは?」と弘中氏。「塩田氏は当事者ですからね。当事者にそんなことは言いませんよ」と薄笑いを浮かべながら林谷氏が答える。

「あなたは塩田氏の公判での証言録を読み返したそうだが、塩田氏が公判担当の白井検事から交信記録は無いと聞かされ、ショックを受けたと書かれてるでしょう?」と弘中氏。
「はい、はい、はい」またも、林谷くん、はいはいはい反撃!
「白井検事から聞かれたので、そういうこと言ってませんよと伝えましたよ。なぜそうなってるのか、分かりません」。検事席で、メガネの奥の目を少し細めて、頬づえをつくような姿勢で林谷検事を見つめる、白井検事。

「塩田氏から、自立支援法がらみ、という調書を取ってますね。」と弘中氏が矛先を変える。「前田検事から指示されたのではないですか?」「主任から?されてませんよ」「6月7日、8日の両日に、すべての被疑者から自立支援法がらみという調書をとってるんですが、本当に指示は無かった?」「さぁ、偶然じゃないですかね。特に指示はないですよ。」
とぼけまくる林谷検事。

ここで尋問者が白井検事に交代する。
白井検事は林谷検事に、メモの破棄が弁護側から証拠隠滅ではないかと問われた件について聞く。「(証拠隠滅とは)全く思わない!」と言い切る林谷検事。白井検事が、取調べ証人として林谷氏が「脅迫的言動」で過去に2回出廷経験があることを指摘し「録画・録音の必要性」について、問いかけると「裁判員裁判が導入されて、手段の一つとしてそのような話になってるだけ」と林谷氏は言い切った。

弁護側、検事側の尋問が終わり、3人の裁判官から「メモの破棄」について、巷間よく言われる「検事・判事なれ合い」ではない、非常に厳しい尋問が、林谷検事に口々に投げかけられた。そして裁判長の「メモ開示の主旨は理解してますか?!」に林谷氏は・・・「はいはいはい・・・」
わっ!裁判官の尋問にも「はいはい」かよっ!!
「でも、その主旨に則るようなことは書いてません。」と、最後まで平然と答える林谷氏の態度に、法廷中が唖然としつつ、「取調べ検察官林谷氏」の尋問が終わったのだった。

午後3時からは、3人目の取調べ検事である國井氏の出廷だが、冒頭、弘中弁護士から「石井議員が2月25日に行ったゴルフ場へ、裁判所がかけた照会の「回答書」が提示され、ディスプレイに内容が写しだされた。石井議員の証言どおり、4人でプレイし、昼食をとり、カードで決済したが、その決済時間から、ゴルフ場を出たのが2時頃であることが判明。
従って、倉沢被告と1時に議員会館で会うことは絶対叶わなかった、ということが明らかにされた。

國井検事は、いわゆる「イケメン風」で、少し染めた長髪を時々撫でる仕草も。
でも見かけとは違う冷ややかな声で、調書通りの事を淡々と語る。上村氏を取り調べたのがこの國井検事だが、「単独犯行」「村木課長の指示はなかった」「組織的犯罪ではない」という上村氏の供述を「ことごとく突き崩した経緯」を、高飛車に話す。「弁護士と相談させて欲しい」という上村氏に「事件の相関図(石井議員→塩田部長→村木課長などなどなど)を描いて見せ、在宅で取調べられてる村松氏が「こうこう言ってる」という話を聞かせると、いきなり「ちくしょう!」と叫んで机に突っ伏して泣き出した・・・「あなたはおそらくこの事件で懲戒免職になるので、これからの人生を考えましょう。本当のことを言って下さい。」と。

すべてを調書通りに、読み上げるように、國井検事は2時間弱語り続けた。
國井検事の出廷は、次回(3月29日)も続く。

閉廷後の記者室で、報道各社の記者たちと少し話をしたが、皆一様に「裁判官のメモ破棄に対する厳しい姿勢に驚いた!」と口々に言う。
6時半からのNHKニュースも、「メモ破棄」に焦点を合わせたものだった。

「ねぇねぇ、判決って、3人の裁判官が出すのん?」ど素人の質問を、私が江川紹子さんに投げかけると「そうだよ!」との答え。
「横田裁判長、頑張って欲しいよね!」と言うと、再び「そうだよね」とニッコリ。

そして二人して「でもまだ、油断したらアカンよね!」と言い合って、大阪地裁を出る。
紹子さんは「明日の朝、4時から仕事なの」と言いつつ、颯爽と雨の中を、新大阪駅に向かったのでした。

<文責:ナミねぇ>



「厚子さん第15回公判 
江川紹子さんツイッター傍聴記」

大阪地裁村木公判で、村木厚子被告の上司だった塩田部長が、自民党の国会議員から金を受け取ったことが明らかになりました。ちょうど日歯連の問題がクローズアップされていた時期。取り調べ検事は、「贈収賄の可能性もある」として取り調べを行ったと証言。

調書に書かれた自民党議員とはいわゆる厚生族の「キムラヨシオ氏」とのこと。東京で政界の取材をされているジャーナリストは、ぜひ、真偽の確認を!事実なら、なぜ自民党議員が、この時期に厚労省幹部に現金を?

取り調べで、民主党の石井議員の働きかけがあったことを認めた塩田部長が実は自民党議員から金をもらっていたほか、業者からも金品を受け取っていたことも判明。塩田部長は村木課長(当時)に、公的証明書の指示したとされる人物。なぜ彼は本件でも逮捕されず、贈収賄にも問われない?

話が後先になりましたが、今日の証人は前回に続いて塩田部長ら4人の重要証人の取り調べを担当した林谷検事。今日は弁護側の反対尋問。林谷検事は、取り調べの時のメモを廃棄。その点について弁護人が「取り調べメモは証拠開示の対象になるということは分かっていましたね」と鋭く追及

同検事は、廃棄したメモが本来証拠開示の対象になることは知っていた、と認めた。弁護人はさらに、同検事が取り調べた凜の会の河野容疑者(当時)の弁護人が、捜査が行われている当時に文書でメモを廃棄しないように求めていたことも指摘。同検事がこの文書を読んでいることも確認

にもかかわらず、メモを廃棄したことについて「証拠隠滅に当たるとは考えなかったのか」と弁護人、厳しく追及。検事は「考えなかった」。弁護人「不安は?」検事「なかった」弁護人「それは検事という立場だからか」検事「私がいらなくなったから捨てただけ」

メモが破棄されたのは、公判前準備手続きが始まった頃。しかも、この検事だけでなく、軒並み取り調べメモは廃棄されているとのこと。検察側の組織的証拠隠滅の可能性も?あるいは公的文書の私物化?いずれにしろ、大阪地検の対応は問題

検事に「特捜をなめるのか。一泊でも2泊でもしていくか」と脅されたという証言を否定。「勾留が長くなるかどうかはあんた次第だ」と威嚇されたという証言も否定。河野容疑者の弁護人から取り調べの録音録画の申し入れもあったが、それを読んだ後でも、検事は録音録画はしていない

塩田部長の取り調べについて。検事は、本件に塩田部長がどう関与したのか知らないで調べを始めたと、証言。それなのに「(塩田氏は)びくびくして、『私も逮捕されるんですか』と言っていた」と。初日に4通の調書を作成し、その2通目に、自民党議員から金をもらった件について記載。

弁護人は、「石井議員に公的証明書を作ったという話を塩田さんが否定した後に、贈収賄っぽい話を調べている。相手は萎縮するとか、強く自分の意見を主張できなくなるのではないか」と問う。検事が「そりゃ、気持ち的には萎縮するでしょう。金品もらって萎縮しない方がおかしい」

検事が思うような供述がとれない時に、自分も逮捕されるのではないかとビクビクしている相手の弱みを付いて、検察側に迎合するようにし向けたのではないか、と印象づけるやりとり。塩田部長は被疑者としての取り調べを受けたが、起訴されずにすんだ。

午後の公判:林谷検事への弁護側反対尋問の続き。検察側は厚労省が障害者自立支援法を通すために野党議員からの要請で、実態のない障害者団体に公的証明書を偽造した、という筋書きを立てている。その根拠となった厚労省関係者の検察官調書について弘仲主任弁護人が聞く。

「塩田部長に自立支援法について聞いた調書を作った目的は?」林谷「どういうことで政治家に気をつかわなけきゃならないのかという、当時の背景を聞いた」弁護人「本件の動機について聞いたのか」林谷「ではなくて背景事情。一般論として官僚がどう動くのか聞いた」

弁護人「主任検事からこの点を聞けと指示があったのか」林谷「それはない」弁護人「ところが、他の厚労省関係者も一斉にこの時期に自立支援法について調書で語っている」。弁護人は6人の検事が6人の厚労省関係者が、2日の間に同趣旨のことを調書で語っていると指摘。

弁護人「これが偶然というのか」と追及すると、林谷検事「必要なら調書を取ってくれという指示くらいはあったかもしれない」と証言をぼかす。弁護人は「これが動機だというので、一斉に調書を取れと指示があったのではないか」と追及。林谷「そういうことはない」と否定

続いて、裁判官が尋問。裁判官の関心は、林谷検事の取り調べ態度と、取り調べメモの廃棄問題に集中。左陪席裁判官は、塩田部長に対して、林谷検事が容疑事実を告げず、「なぜ呼ばれたのか分かるか」とただしたのはなぜか、と聞く。林谷「(塩田は)相当ビビっていたので」と。

左陪席は、塩田部長の天下り先で業者からもらった金品などが押収され、収賄の疑いも出てきたことに関連して、「本人は何の件で調べられているのか分からないかもしれないですね」と問う。林谷検事、それを認める。すると左陪席裁判官は……

「なのに『何で呼ばれているか分かりますか』なんて聞いたら、相手は余計にビビるかもしれませんね」と。さらに、柱谷検事が調書内容を被疑者に確認する方法についても確認。

林谷検事は、被疑者を座らせて調書を黙読させ、自分はその右後ろに近接して立ち、右手で一行一行指し示しながら音読するという方法を取っていたと証言。体格のいい検事が後ろから覆い被さるようにする様子が、法廷で再現された。被疑者にはかなりの圧迫感がありそう。裁判官は……

「いつもあのスタイルなんですか」と怪訝そうな顔で、素朴な疑問を呈していた。続いて右陪席裁判官。メモを廃棄したことについて「メモがあれば調書の信用性が証明されるのではないか」と問う。林谷「取り調べのためのメモで信用性を証明するためのメモじゃない」と弁明

裁判官は重ねて「調書の内容がメモと同じであれば、信用性は高まりますよね」と確認。裁判官のメモについての追及に、林谷検事は「そう言っていただけるなら、残す意味はあるかもしれない」などと困惑気味。裁判官が、ここまで検事を突っ込むのは珍しい。

そして裁判長。立ち会い事務官はメモを作っていないのか、主任検事に提出する報告書を作ってないのか、と聞くも、林谷検事はいずれも「作っていない」と。裁判長は取り調べをしても調書を作らない日が何日も続いていることについて「意図する供述が出ないので作らなかったのでは」と

林谷検事は、以前やはり大阪地検特捜部が捜査をした生駒市前市長らの汚職事件でも被疑者ら2人を取り調べ、いずれも公判で取り調べ調書の信用性が問題となって、証人尋問を受けたことがある。裁判長はその時のことについて「やはりメモについてのやりとりが弁護人とあったか」と聞く

「はい」と林谷検事。「その事件ではメモはどうしたのか」と裁判長。「廃棄してました」と林谷検事。裁判長は「その時も関係者とあなたとの間で供述が食い違ったんですね」と確認。林谷は「はい」と認める。そういう経験があるのに、今回もメモを廃棄したことに裁判所は強い関心を示す

続いて3人目の取り調べ検察官は、公的証明書偽造の実行犯上村係長の取り調べを行った国井検事。長髪、細身。検察側の主尋問で、国井検事もまた、取り調べメモを廃棄していることが明らかになった。廃棄に理由を聞かれ「必要ないから」と

国井検事、よく言えばクールなエリート、悪く言えば冷たく高飛車な感じ。上村係長は最初単独犯だと自白した。しかし、上村係長が公的証明書の前に稟議書の偽造を行ったことを聞いても否定し、現物を突きつけ、上村係長の署名を示して、ようやく認めたことを挙げ、「ことさらに虚偽を…

供述しているんだろうと思った、とのこと。上村係長が偽造した公的証明書を保存したフロッピーを自宅に隠した場所についても、すぐに本当のことを言わなかったなど、彼がなかなか真実を語らない人物だったと印象づける証言が続く

その後も厚労省関係者についてなかなか供述せず、ようやく村木課長の指示を認めた後も、詳細を聞いても「もう少し時間をください」といってなかなか語らなかった、と国井検事。厚労省ぐるみとなると、ノンキャリの同僚たちも肩身の狭い思いをするので上村は組織擁護をしたと国井検事

その上村に対し「村木さんも本当のことを話せばすっきりする。悪い人じゃないし、いずれ本当のことを話してくれるでしょう。一緒に村木さんを信じましょう」と言ったら、上村は「分かりました」と納得してくれた、と国井検事。ホンマカイナ?

泣きながら、時に絞り出すような声で国井検事に供述を押しつけられた状況を訴えた上村に対し、時に薄笑いを浮かべているのではないかと思えるくらいの感じで、よく言えば落ち着いた、悪く言えば上から目線の態度で供述を続ける国井検事。次回、弁護人や裁判官は何を尋ねるのだろうか

取り調べ検事の証人尋問は、通常、調書を証拠採用するための儀式に過ぎず、裁判を傍聴していて最も退屈な時間。被告人が無理な取り調べを訴えて検事が呼ばれることが多いのだが、検事対被告人となると、裁判官もおざなりの質問しかせずに、検事の言い分を認めてしまうことが多いからだ

しかし、この村木公判に限っては、検事尋問の中で、検察側の問題点や疑問点が浮かび上がっている。特に、裁判所がメモの廃棄や検事の取り調べ態度、捜査の手抜きなどについて次々に鋭い、あるいは素朴な(つまり普通の人が疑問に思うような)質問を次々に発し、検察側を困惑させている

今までだったら、たいした苦労もせずに裁判官は検察側の言うことを信用してくれたのに、今回は違う…と検察側が戸惑っている有様が、見ていてありあり。それは、被一人ではなく、検察側が出してきた証人が軒並み調書と異なる証言をするのに、裁判所の疑問を持ち始めているからだろう

焦った検察側は、新たな証人申請や証拠申請をしてきた。たとえば、すでに尋問を終えている凜の会の倉沢代表をもう一度呼びたいと言い出した。また、以前は無視していた調書類も証拠申請。石井議員の証言の時、手帳を示そうとしたら、検察官ややっきになって……

「公判前整理手続きで出されてないものを出すなんて、手続きを形骸化させる」と反対してきた。今回の検察側の対応こそ、公判前整理手続きを形骸化させるのではないか?なりふり構わずの態度に、検察側の焦りが伺える

大阪のNHKは結構長く、メモ問題をやってました。けど、関西ローカルなんですよね

ちなみに、この事件の主任検事だった前田検事と取り調べた4人に公判廷で調書を否定された林谷検事は、この公的証明書偽造事件の捜査の後、東京に出張して、民主党の小沢氏を巡る、いわゆる西松事件の捜査の応援をしたそうです


<転載ここまで>


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植草一秀氏 の 「知 られざる真実 -拘留地にて-」
植草一秀氏の 「売 国者たちの末路(副島隆彦氏との共著)」



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2010年3月25日 (木)

一審は無罪だと思う、問題はその後 みんなで村木厚子さんを支援しよう!

同じ特捜でも大阪地検は、レベル低下著しい東京よりも、更にレベルが低いようだ。
郵政不正事件での村木厚子さんの裁判について、3月14日に「村木厚子さんが有罪にされてしまう可能性」 に触れたが、まず一審は無罪で間違いないだろう。これで有罪となれば、小泉&飯島元首相秘書官サイドからの圧力もしくは交渉によるものか、それとも記事に書いた通りの「裁判官の検察びいき」ということである。

大阪地検(特捜)の実態は、下記に一部引用する”村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋(第14回公判 傍聴記 平成22年3月18日)” をお読みいただければご理解いただけるだろう。既にお読みの方は、そのレベルの低さを既に認識されていることと思う。

一審無罪の根拠については後述するが、大阪地検(特捜)の低能ぶりについては、日々坦々様の3月8日付記事 で、松田光世氏の言葉を次の通り引用されているので、参考にしていただきたい。

”大阪地検特捜部は、どらえもんが昔所属した大阪司法クラブの記者の間では「トイチ」と呼ばれていました。10年に1度しかまともな大事件をあげられないということで、検事も東京では使えないレベルだと。タイガースの優勝と特捜部の活躍は、どちらが次に来るかと話題になるのが大阪。”

松田光世氏の言葉には、既に広く知られている通り、飯島元首相秘書官が自らの事件への関与を隠蔽するために、地検特捜部を騙して村木氏を犯人にでっち上げたことが書かれている。
そして検察は、公判が進み裁判の維持が不可能と思えるまで、自分たちが騙されたことに気付かなかった可能性があるとのことだ。「トイチ」の大阪特捜が、またドジを踏んだということのようである。


さて、裁判官のジャッジには一つのパターンがある 。そのことを復習したい。

①判決は証言よりも「検察官調書」が優先される傾向にある。
②裁判所は判決に対する報道を気にするため、報道の影響で有罪とされる可能性も高い。
③裁判官には、検察に反する証言よりも検察寄りの証言が信用されやすい。


そこで村木厚子氏の場合を考えてみる。

①証言では悉くが「調書の内容」を否定されたが、「検察官調書」が優先される可能性がある。
②村木氏に関わる一連の報道では、検察に不利な証言については詳述されない。
③全員が検察を否定するものではなく、一部検察寄りの証言を行った者もいる。

と、やはり村木氏有罪の可能性を否定できる状況ではなかった。
しかし取り調べ検察官への最初の証人尋問を終えた現状では、下記引用の通り

●取り調べ検察官への尋問から、①の「検察官調書」について裁判官が疑念を持っている。
●②の報道について、徐々にではあるが、検察に不利な情報が報道されはじめている。


といった状況である。
過去の裁判では①~③が揃っての被告有罪となるパターンであったのだろうが、今回、あまりにもデタラメで無能無策な証人(検察官)の対応から、一審は無罪となる可能性が有罪のそれを上回ると思う。
リクルート事件で江副氏と弁護人から尋問を受けた神垣清水(かみがきせいすい)検事 の対応と比較すると、大人と子ども程の差がある。


それでは一審有罪となる可能性は?

●マスコミの報道が検察批判に染まらない限りは、裁判官が「検察びいきの判決」を下す可能性がある。
●小泉&飯島サイドが最高裁から圧力をかける可能性がある。なぜなら現在の最高裁長官は、裁判員制度を導入した功績で旧政権に指名された竹崎博允氏 である。下級裁判所の裁判官は最高裁の意に添う判決をするという現実がある。


一応このことも念頭に、村木氏の一審無罪に向け、支援に力を入れたい。


次に、一審で無罪となっても安心はできないということ。
検察が控訴し二審で有罪、その後村木氏が控訴しても最高裁で棄却される可能性がある。どのようにして二審で有罪になるのか?
まず、冤罪を引き起こす裁判の現状(実態)について復習してみる。

1.裁判官が担当する事件を大量に抱えすぎており、正しい判決を下すだけのまともな準備期間(時間)が取れない。
2.加えて、裁判官の昇格への人事権は最高裁が握っており、最高裁の意に添い、かつ処理件数を引き上げることが裁判官に求められている。
3.その最高裁の長官は旧政権の内閣に指名された。要するに最高裁は旧政権(=背後にCIA)の意に背くことはできない。
4.裁判官と検察は相互交流し、3年間互いの仕事を経験する。そのため判決は検察寄りになり、冤罪が乱発されて当然である。
5.最良証拠主義というものがあり、検察は”有罪とするに都合の好い証拠しか提出しない””無罪となる可能性のある証拠は隠蔽できる”ため、裁判は検察の独壇場である。


例えば、
●検察が時間稼ぎのために訴因とは無関係の審理を継続させ、そのうち裁判官が異動で交代してしまう。新任の裁判官は多忙なため、公判書類に目を通さない。目を通さないので、一審での証人の証言は無視される。検察側は二審までの間に改めて「有罪」への準備をすることができる。結果、裁判官は「検察官調書」を優先した判決を下す。
●小泉&飯島サイドが最高裁長官の竹崎博允氏を通し圧力をかける可能性がある。


ということである。
二審に進む際には上記の事態にならぬよう、私たちの力で検察や裁判所に圧力をかけ、村木厚子氏を支援したい。

それにしても今回の村木厚子氏の冤罪事件裁判からは、有罪率99.8%という検察自慢のビジネスモデルを今後突き崩していく可能性を感じる。でっちあげで犯人にされた被害者の無罪を勝ち取るべく、支援者が裁判の傍聴記を克明に記録しツイッターやブログに公開されている。これが検察と裁判所に対し間違いなく圧力となっているはずである。
問題は、マスコミの報道姿勢が検察従属のままであるか、国民の声に押され真実を報道する方向に向かうか、その部分である。
マスコミの報道内容によっては、無罪になるものも有罪にされることがある。まして今回は小泉元首相も絡み、飯島元首相秘書官が仕掛けた冤罪事件である。

国民の手でこの悪しきビジネスモデルを無効化させるには、ネットでの情報拡散と、検察への抗議で民意の圧力をかける必要がある。もしも村木氏が一審で有罪となれば、裁判所への抗議も必須である。


林谷浩二検事は昨日(24日)、再度弁護側尋問で証人出廷 している。
報道を読む限り、18日の証言と同じことを繰り返しているが、一両日中にもまた ナミねぇ(竹中ナミ)さんはじめ支援者の方々の傍聴記がアップされると思うので、そちらで状況を確認したい。

と、そんなことを書いていたら、早速 日々坦々様が江川紹子氏のツイッターから第一報 を配信された。新事実も掲載されている。スゴイ!



さて、長くなりました。

それでは”村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋(第14回公判 傍聴記 平成22年3月18日)” から一部引用させていただくので、大阪地検(特捜)の低能ぶりをお楽しみいただきたい。

ナミねぇ(竹中ナミ)さんと江川紹子さんの傍聴記は読まれた方も多いと思うので、3月20日にアップされた ゆきこさん の傍聴記のみを引用させていただく。
もしも上記お二人のものをお読みでない方は、是非この機会に読まれることをお薦めしたい。大阪地検堺支部から応援に駆り出された坂口英雄副検事と特捜の林谷浩二検事が、どのような人物でどのような取り調べを行ったのか、裁判官、弁護士からの尋問に対する対応ぶりから感じ取っていただきたい。
江川紹子さんのレポートには、飯島元秘書官の名前も出ている。なぜ林谷検事が飯島元秘書官の名前を法廷で出したのか、江川さん同様私も不明であるが、飯島氏に騙された検察の怒りの意思表示かもしれない。しかし検察官が飯島元首相秘書官の名前を出したとの報道は即日全てネット上から削除されたことから、小泉&飯島サイドからの要請なり圧力なりがあったことは、疑う余地はない。

<引用開始>

「裁判傍聴記 by ゆきこ」

少し肌寒い朝、前回と同じのぞみ号に乗って、村木厚子さんの裁判の傍聴に。今日は家族席にお嬢さんがいて、村木さん、なんだか嬉しそう。こちらも嬉しい気持ち。
今日は取り調べ検事の証人尋問。公判で供述調書を次々に否定されている検事が、果たして正直に取り調べの模様を言うのだろうか。

まずは倉沢邦夫被告を取り調べた坂口英雄副検事が証人席へ。昭和53年に検察事務官に任官、平成11年に副検事となり、昨年4月から堺支部所属、今回は応援で駆り出されて取り調べに加わった。

取り調べメモのノートは2冊、倉沢被告のプライバシー、主任検事の指示事項、雑談の内容などを記載していたが、起訴の済んだ7月4日にノートを引きちぎってシュレッダーにかけ、廃棄してしまったとのこと。弘中弁護士から、石井議員の聴取が行われたのは9月11日、聴取は捜査の一環なので、それまで取り調べメモを破棄するなという指示はなかったのかと鋭く指摘され、自分の判断でやったと答えるが、本当だろうか。
 裁判官からも「何故捨てたのか」 坂口「倉沢の名誉を考えて」
 裁判官「メモは外部の人に見せるのか」 坂口「見せない」(それなら捨てることないだろうに)
 裁判官「開示対象と知っていたのか」
 裁判官「供述の信憑性が問題になっている時に、メモを破棄すればおかしなことになるとわかっていたのか」
と小気味よい質問。やっぱり破棄したのは検察にとって都合が悪かったからですね!

調書の作成が恣意的であることも判明。弘中弁護士は「調書は予め作っておいて、一部手直しするというやり方していたのではないか」「5月1日~19 日(計12~13回)、5月25日~6月2日(毎日)、6月15日~21日など長期間の取調べの間、なぜ調書を作成しなかったのか、6月30には1時間 24分の取調べで3通の調書があり、作り方は先程言ったようなやり方で・・・」と調書作成の不透明さを厳しく追及。
 裁判官からは「調書を取るか否かの判断は」 坂口「自分の判断又は主任検事に相談して」
 裁判官「倉沢の話の裏づけをとってから、調書にするという理由は」 坂口「関係者、関係する事項と整合しているか確認するため」
 裁判官「整合していなければ調書とらないのか」 坂口「(関係ないこと答える)」(痛い指摘ですね!)
 裁判官「検察が考えて違うと思うものは調書にとらないのか」坂口「認識の違いを倉沢も理解した」(ズバリ聞きますね!)
 裁判官「調書が全てとられていないというのでは、初めにどういう供述があり、どういう経過を経て供述ができてきたのかわからない」

調書を一週間も二週間もまとめてとるなんておかしなこと、検察に都合のいい調書しかとらないと言われてもしかたない。調書作成の実態がこういうことでは、証拠としての価値に大きな疑問符がつく。

裏付け捜査のずさんさ、供述の誘導、矛盾も判明。
倉沢が「係長、室長、課長の順に挨拶した」というのに、厚労省関係者の取調べから「挨拶はふつう上からではないか」と誘導、倉沢の手帳にある面会記録(2 月25日13時 石井―バートル木村)の裏づけ調査をしない、倉沢が「公的証明書は、絶対に偽造(自分たちが勝手に作ったものの意味と思われる)ではない、河野からも偽造とは聞いていない」と言っているのは、証明書を直接厚労省からもらったという倉沢の供述と矛盾する。

坂口副検事の証言は、検察官が後から補充して取り繕うなど、必ずしも検察側のシナリオどおりに進まなかった様子だったので、実直そうな坂口副検事は、尋問後組織から厳しく叱責されるのではないか と想像してしまう。


14時30分からは、河野克史、塩田幸雄(元部長)、村松義弘(上村勉元係長の前任)、北村定義(元企画課課長補佐)の4人を取り調べた大阪地検特捜部の林谷浩二検事の証人尋問。彼は、経歴のほとんど(9年間)を捜査に関与しているが、今回が何と3回目の証人出廷であることが弁護士から明らかにされる。いずれの時も取り調べ状況についてということであるから、取調べのやり方にかなり問題のある検事だとわかる。尋問に対しては聞き取れないほどの早口でしゃべり、度々注意されるが、わざとやっているように思えた。

破棄された取調べメモについて
聴取時のメモは、取り調べた事項ごとにわけて書いていた、村木さんが否認しているので後日証人ありうべしとは思ったが、関係者のことも書いてあり、残しておくと管理上よろしくない、供述調書と同じだから残しても意味がないから、7月下旬から8月上旬に破棄した という。破棄して当たり前という態度だ。
林谷検事の取調べに対し河野克史の弁護人から申し入れ書が出されるなど、取調べに問題があることが強く疑われるが、断固それを認めない。5月27日~6月 6日まで毎日取り調べながら6月6日まで調書を作成せず、調書の取り方も坂口副検事同様におかしい。

塩田元部長の最初の取調べは5月29日11時から19時過ぎまで。
前日に勤務先に捜索に入られていて、緊張して取調室に入り、下を向いて脅えていた、それまでの人(村松義弘、北村定義)とは違っていたとのこと。被疑者としての取調べであることを告げると、
 塩田「僕も逮捕されるのですか」
 林谷「知っているのはわかっている。正直に説明しろ」。
はじめは下を向いて黙っていたが、やがて「自分が石井一から電話を受けて聞いた」と言ったので、びっくりして「どう言われて、どう下ろしたのか」聞いたところ「課長に対応を指示した」と言った。2時過ぎには調書を作成し、その後7時過ぎまで、石井議員との関係、塩田元部長の経歴、前日の勤務先での捜索で金品が出てきたので、それについて聞いたとのこと。(びっくり!)
翌日は午後から取り調べ、「村木さんから報告を受けて石井一に電話したことを隠していたが、正直に話したほうが良いと代議士秘書からアドバイスを受けたので話すことにした」と供述。
6月29日に追加的な調書作成、村木さんに自分が強い言い方で指示したことで自分に責任があると言う。
翌日2通の長いまとまった調書作成の際、石井議員から訴えられる、部下(村木さん)を売ったように思われるのでできれば公判で説明したくない、自分の話以外に客観的な証拠、交信記録のようなものないのか集めてくれと塩田元部長から言われた、自分から交信記録のことは言ってないと林谷検事は証言。また、塩田の別の犯罪、贈収賄につながるようなものと取引していることはないともいう。

証人尋問では偽証は許されないが、本日はほとんど検察側の尋問だったこともあり、林谷証人の言ったことがどこまで本当なのかよくわからなかった。次回は、村木さんを冤罪に落とし入れた大阪地検特捜部に加担して、重要な役割を果たした塩田元部長の真実の姿が明らかになることを期待したい。

検察側は冒頭陳述で、公的証明書偽造事件をリードしたのは塩田元部長というシナリオを作っており、本人の供述調書もそうなっているのだろう。政治家の圧力に屈して安易に証明書を出すことを指示したという塩田元部長こそ検察の描く今回の事件の首謀者ではないか。にもかかわらず、彼は罪に問われず、部下の村木課長に罪をなすりつけた。かかわりを全面否定しているにもかかわらず村木さんは即日逮捕、起訴され、あの汚く暑い大阪拘置所で長期勾留され、嬉々として働いていた職を奪われたのは一体何故なのか、今もって合点がいかない。

塩田氏の捜索で発見されたという金品、政治家との関係、異様におびえる様子などからは、彼の個人的資質の問題が浮かび上がり、検察がもくろんだ厚生労働省の組織的な犯罪などという構図にはみえない。村木厚子さんはもとより、3月10日の公判で堂々と証言した元企画課課長補佐の間隆一郎氏のように、国民のために真摯に公正な行政を実現しようと、情熱と誇りを持って働いている人間が省内に数多くいると思うからである。村木さんが、一日も早く無実が証明されて職場復帰して、国民のために働いてくれることを誰もが願っている。

<引用ここまで>


■必見! 日本は財政危機ではない! 消費税を上げる必要もない!
二宮厚美・神戸大大学院教授 
菊池英博・日本金融財政研究所所長 
下地幹郎(国民新党) [消費税に関する質疑] 

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小林興起氏の 「主 権在米経済」2006年5月刊
関岡英之氏の 「拒 否できない日本」2004年4月刊  (小林興起氏はじめ”抵抗勢力”とされた議員が郵政民営化に反対する端緒となった著書)
植草一秀氏 の 「知 られざる真実 -拘留地にて-」
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2010年3月14日 (日)

それでも村木厚子さんが有罪にされてしまう可能性

歴史的な政権交代から半年、私たち国民は、検察・法務、外務、財務の各官僚とマスコミにいろいろと歯痒い思いをさせられたが、もうしばらく、あと数ヶ月の辛抱である。参議院選での民主党の勝利が、これまでのウォーミングアップから、いよいよ平成維新の実動へとシフトアップしてくれる。それまでの我慢である。

当初の予想通り、米国(CIA)・官僚・売国政党(自民党清和会)・マスコミによる政権運営妨害、情報操作と世論誘導は低劣を極め、国民の期待を背負い船出した新政権と民主党も、「表向きの支持率」は急降下している。が、しかし、小沢一郎氏が参議院選へ向け民主党を牽引してくれる限り、民主党の勝利は間違いない。ここにきて公明党が小沢氏にすり寄る事態にいたるなど、マスコミの奮闘も虚しく、民主党の政権基盤は盤石なものになりつつある。

ゴールデンウィーク中に小沢氏が訪米し、そこでどのような交渉が行われるかは、我々凡人に量れるものではない。
ただ間違いなく言えることは、米国との交渉に幾分かの譲歩があったとしても、小沢氏の「自主独立国家形成に向けての日米・日中の等距離外交」と「国民主権国家」への思いは揺るぎなく、そのための何らかの布石を打ってくるはずであろうということだ。普天間基地移設問題についても、そのことと参議院選勝利を念頭に、小沢氏は鳩山内閣へ意見しているものと、私は考えている。

"ビッグイシューを卒業された吉富さんから学ぶべきこと" (3月7日)にも書いたが、小沢一郎氏はゴールから逆算して戦略を練り戦術へと落とし込む、目標達成への原理原則を外すことのない政治家である。政治でも実業界でもスポーツでも、世の中の成功者に共通する思考と行動は、この「ゴールから逆算して優先順位を決め、行動に移し、愚直に継続する」ことである。
小沢一郎氏は、「自主独立国家」「国民主権」「真の議会制民主主義」のために、選挙での必勝と米国との交渉に臨むのである。


小沢一郎氏の「目標達成」への必須ターゲットの一つに、「検察」と「裁判所」がある。


昨年の大久保秘書逮捕(三三事変)以来、その小沢氏を中心とする愛国派(国民主権派)と売国派(米国隷属派)清和会および検察・マスコミによる闘争(というよりも一方的な攻撃)は、気の毒なことに無実の村木厚子氏を犯罪者に仕立てるという、こちらもまた検察の大暴走を見せてくれた。その結果は、東京地検に続き大阪地検(特捜)の断末魔に至るようである。

村木厚子氏に関わる郵政不正疑惑の公判では、被告だけでなく、検察側と弁護側双方の証人が「検察に作文された調書」の内容を悉く否定し、「検察(特捜)による事件捏造」の実態が明らかにされてきている。
昨年の事件報道から村木厚子氏逮捕に至る騒動が、石井一氏をターゲットにしての総選挙対策民主党ネガティブキャンペーンであり、これが西松建設事件との二本立てで組まれていたことが実証されたのではないだろうか。おそらく、大阪地検へは多くの市民からの抗議が寄せられているであろう。

大久保秘書の公判(1月13日)でも、西松建設元総務部長・岡崎彰文氏が検察側証人として、大久保秘書の逮捕容疑そのもの(「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」は実体のないダミー団体であり、大久保秘書はそのダミー団体が西松建設であることを知りながら企業献金を受けた)を否定する供述、つまり「これら2つの政治団体は事務所も会社とは別で、家賃や職員への給料も団体側が払っていた」と、実体があることを証言した。
要するに、検察側が自信を持って送り出した証人の供述によって、大久保秘書の逮捕理由それ自体が無効となってしまう。このため東京地検は大久保秘書の無罪を回避するため、その後の公判を全てキャンセル(延期)し、石川議員、池田秘書とともに、大久保秘書を別件逮捕(一一五事変)、その後陸山会事件に絡んでの「訴因変更」まで行った。
3名の逮捕劇は、公判での西松建設元総務部長・岡崎彰文氏による証言をマスコミ報道から隠蔽するためのものであった可能性が極めて高い。そのまま公判が継続されていれば、そろそろ西松事件での大久保秘書の無罪判決が下される時期である。


江副浩正氏のリクルート事件の頃とは異なり、現在では江副氏佐藤栄佐久氏 の著書も含め多くの書籍から、そしてネットからも「検察(特捜)の実態暴露情報」を容易に収集できる。そのことが、証人の検察調書を否定する証言に顕在化されているのではないか、理由の一つとしてそのように考えられる。
そして、今後も公判に臨む被告人や証人が、これら出版物やネット情報を教科書とし、検察の横暴に立ち向かってくるであろう、これはもう一つの潮流とも言えそうである。


しかしながら、大久保秘書と石川議員、池田秘書、そして村木厚子氏は、やはり有罪(執行猶予付き)とされるのではないか。そのように思えてならない。
もし一審で無罪となっても検察が控訴し、二審で有罪。そこで上告しても最高裁で棄却される。なんと言えばよいか、いつものパターンである。

リクルート事件では、政界ルート、労働省ルート、NTTルート、文部省ルートに12名が起訴され、全員の有罪が確定した。
江副氏の記述を読む限りでは、全てのルートにおいて被告も証人もその殆どが、検察の作文(調書)を翻し、検察の主張する訴因(犯罪の具体的事実)が事実ではなく、検察側による捏造であることを法廷で明らかにされている。しかし、それでも全員が有罪(執行猶予付き)とされた。


何故か?

江副氏の著書 によると、実際に江副氏の裁判において、「検事の取り調べ方法に問題があり、脅しや強要によって取られた調書を証拠として信用することができない」とする弁護側と、「自白は自発的なものであり、調書の信用性に問題はない」とする検察側が真っ向から対立したそうである。
その調書の信用性を争うため、取り調べ状況に関する(弁護人や被告から検察官への)尋問が何度も行われた。

江副氏の拘留中、江副氏への人権蹂躙を犯し続けた、当時の 神垣清水(かみがきせいすい)検事 も、弁護人と江副被告から尋問を受けている。
しかし神垣検事は、公判で証言する前に取り調べの際に自分が取った調書を読み直し、その内容に外れないような証言をするための事前準備を行っており、裁判では「記憶にはないが、調書に記載されていればその通りです」などと、ぼかしたり、はぐらかす答弁をしたそうだ。
結局、神垣検事による「恫喝」も「拷問」も「事実とは異なる調書の強要」も、そのことを裁判官に認識させるまでには至らなかった。

判決は、裁判の最後に提出される「検察官調書」で決まることが多いらしい。そのために、取調室では長期拘留などで被疑者を脅し、心理的に追いつめ、検事に有利な調書を作成するのである。こうして起訴されれば99.8%前後が有罪という、高い有罪率を生み出しているのである。
だから「検察官調書」優先の現状では、証人の証言や検察官への尋問も、裁判官には無意味なものとなっている可能性が高いと言えそうである。


また政界ルートでは藤波孝生元官房長官が、労働省ルートでは辰巳元リクルート社長室長が、一審で無罪となったが、二審で逆転有罪とされ上告、しかし最高裁で棄却され有罪が確定した。彼らの場合は、証言や状況証拠などから一審で無罪となりながらの逆転有罪である。

藤波元官房長官は、一審無罪についてマスコミが一斉に批判的な報道を行ったために、逆転有罪となったように書かれている。「裁判所は判決をメディアがどう報道するかを気にしがちだ」と、元裁判官である江副氏の友人が語ったそうである。
辰巳元社長室長の場合は、高裁の裁判官が辰巳氏は無罪であろうとの客観的事実を無視し、検察寄りの証言を行った証人の証言を重視した結果によるものである。


以上、まとめると下記の通り。

①判決は証言よりも「検察官調書」が優先される傾向にある。
②裁判所は判決に対する報道を気にするため、報道の影響で有罪とされる可能性も高い。
③裁判官には、検察に反する証言よりも検察寄りの証言が信用されやすい。


この3点を高知白バイ事故 から僅かな例であるが、取り上げ検証してみる。

①被告(実は被害者)であるスクールバス運転手の片岡さんは無実であると主張する、バスに乗車していた生徒、バスの後ろから自家用車で見ていた校長先生、事故現場付近の通行人などの証言は悉く無視され、調書がそのまま信用された。
②専門機関に依頼し、警察側が出す物証(写真)は事故後に細工され捏造されたものだとの報告書を提出するも、裁判所に無視された。
③この不可解な事故は高知県内では全く報道されなかった。そのため裁判官が受けるマスコミからのプレッシャーは皆無であった。
④事故後に対向方面からやってきた同僚の白バイ隊員(事故を目撃していない)の警察・検察寄りの証言が、裁判所からは信用できるとされた。


リクルート事件と同様、無罪を訴える証拠と証言をも無視する裁判結果である。
では、村木厚子さんはどうなるか?

①証言では悉くが「調書の内容」を否定されたが、「検察官調書」が優先される可能性がある。
②村木氏に関わる一連の報道では、検察に不利な証言については詳述されない。
③全員が検察を否定するものではなく、一部検察寄りの証言を行った者もいる。

と、考えてみると恐ろしい。
村木厚子氏を無罪とする方法はないものか?


効果的と思われるのは、 幼い子を持つ女性秘書への「監禁」「恫喝」事件 への我々市民が取った行動ではないか。

●検察に対し市民から怒りの電話が殺到した。
●ネット上で検察批判が台風のように広がった。


村木厚子氏の無罪を勝ち取るため、このことを大阪地検と裁判所に対し行えばよい。

●大阪地検への抗議の電話を殺到させる。
●もしも一審で有罪ならば、大阪地検と裁判所に対する電話での抗議とネットでの嵐を巻き起こす。

一一五事変の3名の犠牲者(石川議員、大久保秘書、池田秘書)についても同様である。


では、小沢一郎氏と連立政権に期待したいことは何があるか?
まず地検(特捜)による冤罪のパターン5つを 3月3日の記事 から再掲する。


・そこに事件があるのではなく、事件は特捜が捏造し無実の人を犯罪者に仕立て上げる。
・自らの調査はせず、新聞、テレビ、週刊誌などの記事から事件性を「想像」し、誰を犯罪者にするか、容疑は何であるかを決定する。
・想定している容疑や事件の悪質性、一斉捜査や逮捕の日時など、情報をマスコミにリークし、世論の風を起こし、検察優位の体制を整える。
・取り調べでは「恫喝」「拷問」などの人権蹂躙は当たり前。被疑者を落とすための常套手段。
・相手の言い分は無視、事前に作成した調書にサインをさせることが担当検事の仕事。そのためには虚偽の情報で不安にさせ「司法取引」にまで持っていく場合も多い。


現在特捜が動く事件は100%捏造であると言っても過言ではない。
検察についてはこれまでに何度も述べてきた通り、まずは犯罪者集団・特捜の解体も含め、CIA配下にある検察官僚を全員粛清すること、そして検察人事の制度自体を変更すること。
また、検察に不都合なことをマスコミは報道しない。法務省・検察庁の記者会見オープン化を早急にお願いしたい。


併せて、
何故証言よりも「検察官調書」が優先される判決になったり、検察寄りの証言が信用されやすい傾向にあるのか?
昨年7月に書いた司法改革を引用し、改めて考えてみたい。


以下、当時の記述に加筆修正し再掲する。


■冤罪を引き起こす裁判の現状(実態)

1.裁判官が担当する事件を大量に抱えすぎており、正しい判決を下すだけのまともな準備期間(時間)が取れない。
2.加えて、裁判官の昇格への人事権は最高裁が握っており、最高裁の意に添い、かつ処理件数を引き上げることが裁判官に求められている。
3.その最高裁の長官は旧政権の内閣に指名された。要するに最高裁は旧政権(=背後にCIA)の意に背くことはできない。
4.裁判官と検察は相互交流し、3年間互いの仕事を経験する。そのため判決は検察寄りになり、冤罪が乱発されて当然である。
5.最良証拠主義というものがあり、検察は”有罪とするに都合の好い証拠しか提出しない””無罪となる可能性のある証拠は隠蔽できる”ため、裁判は検察の独壇場である。


■正しい裁判のための改革案

① 今後は内閣による最高裁長官の指名権を廃し、行政権と司法権を完全に分立させること(政府による裁判所への干渉を廃絶すること)。
② 最高裁の持つ人事権を見直し、下級裁判所の裁判官が自らの意思と判断で判決を下せる環境を整備すること。
③ 判検交流を廃止し、検察による裁判官への影響力の無力化と裁判官の独立性を確保すること。
④ 最良証拠主義を廃し、米国のディスカバリー(証拠開示)制度と同様の制度を立ち上げること。
⑤  裁判官の労働環境を改善し、正しい判決を下せるだけの十分な時間を与えること。
⑥ 識者・専門家・市民による、裁判官と判決への評価チェック制度を新設し、国政選挙以外の場で、裁判官の罷免申請を市民が行えるようにすること。
⑦ 検察官適格審査会で、逮捕・拘留中、公判中の事件担当検察官も、審査対象とすること。


裁判官は1人当たり200~300件の事件を担当させられ、慢性的な過剰労働状態にある。1人で400件以上を担当している裁判官もいる。裁判官の評価基準は年間に裁いた件数である。そのような状況であるため、数を裁くために公判書類に目を通さない。そして証人尋問中に居眠りする裁判官までいるらしい。
また裁判官は判検交流の影響で検察の影響を受けやすい。多忙な裁判官が検察官の調書に頼るのも頷ける話である。
その他、詳細は「日本の裁判官がおかしい」 (黒木 亮)をどうぞ。


石川知浩議員、大久保秘書、池田秘書、そして村木厚子氏を無罪とするためには、参議院選での民主党勝利が必須条件となる。
参議院選での勝利の後、小沢一郎氏と連立政権が検察と司法にメスを入れ、ここに挙げた課題を解決していただきたいものだ。
もしこれらの改革が時間を要するものとしても、改革断行を意思表示するだけで、それが検察と裁判所に対する圧力となり「当たり前の正義」が裁判で示されることになる、そのように希望を持ちたい。


結果、郵政民営化に関わる「かんぽの宿」等複数の疑惑、りそな銀行インサイダー疑惑、代議士の皆様の迂回献金、森田健作千葉県知事の迂回献金、某元首相のご子息絡みの麻薬事件などなど、清和会系の売国犯罪者たちへの捜査も動き出すことになる。



■必見! 日本は財政危機ではない! 消費税を上げる必要もない!
二宮厚美・神戸大大学院教授 
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2010年2月10日 (水)

検察・警察・財務・外務各省庁の粛清なくして「日本の戦後」は終わらない

政府は検察庁と宮内庁は「特殊性を有する」として適用除外するとの報道 があったが、詳細はどのようなものなのか。この記事だけでは判断できないが、キャンベル国務次官補との会談の席においてか、それとも別ルートか、CIA側からの要請なり取引条件なりを提示され受けた可能性もある。その背後にはオバマ政権とCIA・軍事覇権(利権)集団との今後の日本の扱い方に関する思惑の一致があるのだろうか。


週刊朝日2月19日号のトップ記事(18頁)に、小沢不起訴について樋渡検事総長ら検察トップラインと小沢氏との取り引きがあったとの「関係者の話」が掲載されているが、これは少し違うだろう。

前回記事の冒頭 で触れたとおり、小沢不起訴も3名の釈放も、米国側からの条件提示であり、週刊朝日に書かれている「検察トップとの取り引き」の裏に「米国の意向が働いていた」と読むのが妥当であると、私は考える。週刊朝日の記事には検察の背後に控える「米国の圧力」が抜けていると思う。
(もう一つ気になる点は、「取り調べの可視化」について、上記冒頭の報道にも週刊朝日からも「政府が取り下げる」ような記述は見あたらないことである。「検察人事」にのみ政府が配慮した形となっている。この部分もこれから考察し、今後の政府の動きを見守りたいと思う。)

また亀井郵政金融担当相が「米国債を積極購入」と発言したことも物議を醸しているが、もうしばらく様子を見てみたい。鳩山政権と小沢氏は、今回の「1.15事変」を機に、凡人には及ばぬ相当高度な米国との駆け引きを強いられているのだろうと思う。
現時点で確実に言えることは「米国は絶対に郵政の金融資産収奪を諦めない」ということであり、そのためにはオバマ政権とCIA・軍事覇権(利権)集団が結託し、大胆かつ巧妙に圧力や交渉をしかけてくるのではないか。


何故、国民の期待を受けて誕生した新政権がこのような苦境に追いやられるのか?
やはり、この1年間続いた「検察」の「小沢降ろし」と「鳩山偽装献金疑惑」が元凶である。今回、小沢不起訴を条件に米国から取り引きを持ちかけられたとするならば、東京地検(特捜)を動かした時点から想定されたシナリオの一つであろう。


地検(特捜)は早期解散させねばならない。
そして検察に加え、警察・外務・財務を中心とした米国隷属省庁を粛清しない限り、「日本の戦後」は終わらない。


郵政民営化に纏わる「かんぽの宿」を含めた複数の疑惑も、りそな銀行インサイダー疑惑も、どれだけ政府や国民が小泉竹中一派の国家犯罪を追求したくとも、地検(特捜)の解体を含め検察改革を進めなければ、何も進展することはない。

岸信介以来のCIA配下米国隷属派である清和会系には絶対に捜査は及ばない。森田健作千葉県知事にさえ、市民団体からの告発も無視される状況である。
捜査させたところで彼ら反逆者達の「不起訴」は明白である。
地検(特捜)の解体(或いは特捜トップ人事)なくして、旧政権、特に小泉竹中政治の国家犯罪を追求することは100%ない。


戦後日本の主権を維持してきた米国隷属官僚組織の解体・再編と、国家犯罪を犯してきた官僚達への粛清を行ってこそ、「日本の戦後が終わる」のではないか。
米国に支配される反逆者を一掃することである。


検察の欺瞞に満ちた犯罪的取り調べの実態は、このところのいくつかの公判で晒されつつある。

一昨日、厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)の第5回公判が行われ、当時上司だった元障害保健福祉部長が証人として出廷し、民主党の石井一参院議員から口利き電話を受け、村木被告に便宜を図るよう指示したとする捜査段階の供述について、「今の私の記憶にない」と事実上否定した。

この事件に関わったと思われるような「電話の交信記録があると検事に言われたので論理的に判断したが、書かれてあることは事実ではない」ということである。

「最近になり、検事から交信記録はないと聞かされた。」
「凛の会元会長の倉沢被告が公判で”(私と)会ったことがない”と証言した。」
「村木氏の元部下である上村被告が”村木被告の指示を受けていない”と供述を翻している」

ことなどから、検察での供述調書を翻したものである。
検察から司法取引を持ちかけられ、総選挙前の石井一氏と民主党攻撃のために利用されたのであろうが、改心し、よくここで証言を翻してくれたものだと、感謝したい。


産経新聞
村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋


村木厚子氏の公判より前、大久保秘書の第2回公判(1月13日)では、検察側証人である西松建設元総務部長・岡崎彰文氏が検察側の調書を否定する証言をした。

「政治団体がダミーとは全く思っていなかった」
「OBがやっていて、届け出もしている、と被告に説明したと思う」

と証言し、「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の二つの政治団体が「架空団体=ダミー」ではないと訴えた。(植草一秀氏のブログ から一部引用)


この2件の公判で検察の欺瞞と捏造が晒されたのであるが、今後もこの動きは止められないと思う。


国民がこのように、公判で検察の欺瞞と捏造を晒しているのである。
政府も、様々な圧力はあろうが、何としても自主独立国家形成への一歩を、検察へのメス入れから始めてもらいたい。


【追記】

平和主義者様 によると、検察官適正審査会は本日招集されるようです。平和主義者様には貴重な情報を頂き、感謝いたします。

会合後の経過を見守りたく思います。

■2月10日 22:00 現在、村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋 への投稿記事が3件になりました。公判での元障害保健福祉部長・塩田氏の証言がより詳細に記述されています。検察による事件捏造は確定的です。

村木厚子さんを支援する会 には、村木氏ご本人からのメッセージも含め、大変多くの情報が掲載されています。

■毎度申し訳ありません。誤字脱字等、修正しました。



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