「経済のイロハを知っていれば考えられない旧政権によるデフレ下の緊縮財政」(菊池英博氏)
引き続き、衆議院予算委員会(2月24日)における公聴会の会議録から。
今回は菊池英博・日本金融財政研究所所長の公述を抜粋し、転載させていただく。
かっちょ様は、「国民生活と日本経済復活への処方箋」について一人でも多くの方に知っていただきたいと、Caccyo通信100302 で衆議院テレビ に収録された公聴会の内容を紹介され、問題提起してくださったのであるが、その公聴会での公述と質疑が文字起こしされ衆議院HP に掲載されている 。
転載した下記公述・質疑、転載元の会議録と併せ、公聴会収録ビデオ の視聴と『日本は財政危機』論に迫る!~Caccyo通信100302 の再読をお薦めしたい。
小泉竹中(売国)構造改革、そして財務省の進める緊縮財政を否定し、「財政・経済の処方箋」としての原理原則とも言える正論が展開されているのであるが、かっちょ様による公述の論旨のまとめとこの会議録を読むことで、処方箋の意味するところがよく整理され、理解できる。それに加え公聴会収録ビデオも視聴できれば、より効果的に処方箋を頭に入れることができると思う。
また植草一秀氏の「知 られざる真実 -拘留地にて-」 と紺谷典子氏の「平成経済20年史」 を読むことで、菊池氏の論説の、その背景までをもよく知ることができるだろう。
橋本政権での「財政改革」が、大蔵省主導の「作られた財政危機(大蔵省の嘘)」による緊縮財政のため大不況をもたらし、税収も大幅に落とした失政であったこと、次の小渕政権では橋本財政改革の否定から入り「積極財政」に転換、見事に経済成長と税収増、そして財政の改善を果たしたこと、ところがその次の森政権、小泉政権でまた緊縮財政へと転換させられ、財政悪化とデフレ不況が継続しているという事実が、具体的事例も交え詳述されている。要するに「財務省に騙され踊らされているうちは、日本の経済成長はあり得ない」ということである。
以下、菊池英博氏の公述について、かっちょ様がまとめられた菊池氏の論説の要旨をCaccyo
通信100302から、続けて菊池氏の論説を予算委員会公聴会会議録から転載させていただく。
尚、菊池氏の消費税についての論説は、次稿にて紹介させていただく。
<Caccyo通信100302から一部転載>
☆菊池英博先生(小泉時代を「暗黒の時代」と斬り捨てる頼もしい論客)
▼小泉カイカクは、徹底したデフレ政策で日本を《平成経済恐慌》に陥れた。
・日本経済は97年からずっとデフレが続いている(内需縮小、投資不足)
・97年以降、名目GDPは全く増えず、デフレにより実質GDPだけが増えた。
・いざなぎ越え好景気=内需の落込みを、デフレと輸出増がカバーしただけ。
=所得も減り続ける経済成長はウソ!名目成長してこそ成長といえる。
・02年の労働者派遣法の改悪は、労働法制を1世紀逆戻りさせる暴挙。
・しぼむ内需を下支えしてきた財政を、財政均衡を理由に大削減。
・01年比で08年までに、財政支出と地方交付税を累計で60兆円削減。
⇒財政均衡に至る前に経済規模が縮小してしまい、全く逆効果。
・橋本構造改革が大きなつまずき⇒小泉カイカクがダメ押しした。
・日本は石油危機以来、政府投資が民間の投資不足を補完してきた。
=積極財政で双子の赤字を解消した、クリントンモデルを見習うべき。
▲日本の財政赤字は財務省が喧伝するほど危機的ではない。
・問題視すべきは粗債務ではなく、資産を差し引いた純債務の方だ。
=海外では、日本が財政危機だと考える経済学者は一人もいない。
・今こそ、財政投資大幅増で大きく方針転換すべき。
・子供手当ては普遍的な政策であり、決してばら撒きではない。
・新自由主義下でトリクルダウンは期待できず、ゼネコン投資は×。
・投資乗数の高い、医療・社会保障など生活密着部門へ投資すべき。
・輸入品購入は投資効果僅か(内需ではない)=ユニクロは日本を滅ぼす。
・人口減を睨んでの緊縮財政論は、全面的な間違い。
・消費税導入以来徴収累計:201兆円、同時期の法人税軽減累計:164兆円
⇒誰のための政治をしてきたか!?一目瞭然=財界の言いなり
・09年経済財政諮問会議:消費税12%案答申=11年から1%ずつ税率アップ
⇒宍戸駿太郎氏の試算:10年後にGDP34%減との予測=『日本破滅!』
・日本とスウェーデンとの税収に占める消費税の負担割愛は同じ22%!??
=日本の消費税は、例外項目もほとんどなく、逆進性が極めて強い!
食料品・医療費・教育・福祉・介護等は原則非課税が望ましい!!
<第174回公聴会会議録 平成22年2月24日 から一部転載>
※【常任委員会】の「予算委員会」 →左メニューから「予算委員会公聴会」 →「第174回の号数一覧」から「第一号」を開くと当日の会議録です。
菊池でございます。
本日、公述させていただきます資料をお手元につけてございます。クリップでとめてありますが、一枚、こういうレジュメ、A4の表裏になっております。それから、多く図表を使っております。私は、きょうは図表をかなり使いながら御説明申し上げます。私は、現在でも日本は財政危機だとは思っておりません。どういうふうにしたらいいか、そういうことは全部、公表されているデータをきちっと分析すれば明らかであるという趣旨に立っておりますので、データを少し多目に用意いたしました。
それから、僣越ながら、私が書きました「消費税は0%にできる」 というのがございますが、この中身がきょう申し上げる一つの趣旨でございます。
それでは、このレジュメに基づきまして申し上げたいと思います。
私は、きょうは公述人の六名の最後のしんがりでございます。皆様方、大変お疲れと思いますけれども、こうすれば日本はよみがえるというのをきょうお話しいたしますから、ひとつ御清聴をいただければと思います。
やはり今、国民が本当に求めているのは、大きく、チェンジなんです。民主党さん、それから連立政権が成立したということは、そのチェンジを何に求めるかということでございます。ですから、それはこの後半、私なりの意見を申し上げますけれども、それは先生方の場合、特にきょうは与党の方中心になってしまいましたけれども、御如才ないことだと思いますが、私が強く申し上げたい、具体的なことをきょう申し上げたいと思います。
レジュメに基づきまして、時間の制約もございますので申し上げます。
まず、二〇一〇年度予算、これは私は賛成でございます。
二〇〇九年度歳入、これは、自公政権による税収入の大幅な見込み違いで、歳入に占める国債発行額が税収を上回るということになりました。これは、敗戦直後の一九四六年以来、六十三年ぶりの事態。これはまさに経済敗戦です。まさに日本は第二の敗戦を迎えた。完全な敗戦だととらえるべきです。第一回は武力で間違えた。第二回目は経済敗戦。これは壮大なる経済の失政です。実は、二〇〇一年から始まりました小泉構造改革というのは暗黒の十年だったんですよ。どこに原因があったか。これが二番目に書いてあります。
まずは本年度予算でございますけれども、税収が九兆円も激減する中で、連立三党が選挙のときから三党合意で共通政策を掲げまして、その中で可能な限り実現されたものとして、実は大変高く評価しております。
特に、コンクリートから人へと具体的に中身もちゃんと整理されておられますし、それから地方交付税の増額、しかも一兆円の予備費を使っておられる。こういうところにまだ含みを持っておられます。それから、埋蔵金を活用された、十・五兆ですね。それから、国債発行は四十四兆に抑えられた。
いろいろな面で大変御苦労の結果だと思いまして、私はこの予算案に対しては賛成でございます。九月十六日に新政権が発足いたしましてから、短期間に本当によくおやりになられたと思いまして、私は高く評価しております。
二番目に、税収激減は小泉構造改革とその後の自公政権の当然の帰結だと私は思っております。
デフレというのは今に始まったことではございません。この後、データで申し上げますけれども、まさに一九九八年以来、GDPデフレーターはずっとマイナスです。長期デフレ。既に恐慌型のデフレに入っております。長期デフレの元凶は、財政デフレ、金融デフレ、リストラデフレ、この三つに集約できると私は思います。
まず第一に、基礎的財政収支均衡策というのをとってまいりました。これは二〇〇二年からですね。実は、デフレのもとで緊縮財政をとるということ自身は、これは歴史的に見て絶対失敗しているんです。昭和恐慌もそうです。大恐慌もそうです。これはもう教訓で、こういうことをやるということは、おおよそ経済の歴史のイロハを知っている人では考えられないことです。
それともう一つは、日本の体質に合わない均衡財政の政策をとった。この後、データで申し上げますけれども、実を言いますと、日本は均衡財政というのは合わないんです。それをとって、そして目標を定めようとした。それで、交付税交付金、こういうものをこの二〇〇一年度から八年間の間に六十兆を削減しています。この数字は二〇〇〇年度をベースにしまして、毎年ずっと削減していますから、全部累計いたしますと、二〇〇八年度まででちょうど六十兆になります。ですから、地方はからからになる。最近では、もうシャッター通りどころではありません。そういう状況になってしまったのは当然です。
それから二番目には、金融三点セットの強行。これは、ペイオフ、時価会計・減損会計、それから自己資本比率規制ですね。ともにデフレのときにこういうことを強行すれば、金融はどんどん縮小します。特に時価会計。竹中さんがやられたことは、デフレをやっておいて、それで時価会計・減損会計を適用して、資産がどんどん下がりまして、不良債権をどんどんつくり上げる。つくり上げて自己資本を落とさせる、そして銀行をつぶす。UFJ銀行なんかは、あれは意図的につぶしたんです、私ははっきり本に分析してありますけれども。そういうことをしていったから、結局は金融機能がどんどん縮小している。これが二番目のことです。
三番目には、無謀な規制緩和、特に二〇〇二年の労働法の改定です。これは、説明さえすれば解雇が自由になったんですね。これはまさに戦前ですよ。あるいは十九世紀かもしれません。
ですから、そういうことで、結果は十年マイナス成長、十年デフレから恐慌型のデフレ。まさに構造改革というのは悪魔の改革です。事態を真剣にきちっと認識すべきだと思います。
それで、現在はGDPは四百七十兆円程度ですね。これは一九九一年並みです。つまり、二十年前です。それから、税収三十七兆、これは一九八五年、つまり二十六年前。こういう形になってしまった。これは実は極端な投資不足というのがあります。この後、データでお話ししますけれども、経済のエンジンである投資が不足している。それから、まさにガス欠状態で失速ということですね。ですから、まずこれから重要なことは、いかにしてこの基本的な経済を持ち上げるかですよ。
どうしてこんなことになったかといいますと、この二〇〇一年からの構造改革のベースというのは、アメリカのレーガン・モデル。レーガンが一九八一年以降ずっとやってまいりまして、その後、二〇〇一年からはブッシュですね。そうした共和党のモデルをそのまま、言うならば、まねごとでまねてきた。ですから、法人税、所得税を引き下げる、社会保障をカットする。その反面、消費税を上げよう、上げようと思ってきたわけです。
そういうことで、結局、新自由主義とか市場原理主義、これをやったおかげで、実を言いますと、アメリカはレーガンの時代、皆さん御存じのとおり、一九八一年からレーガンが大幅な減税をやり、法人税も下げ、所得税も下げました。軍事拡大をやりましたから、歳出の増加もふえました。その結果、双子の赤字、貿易収支それから財政が赤字になりましたね。それで、一九八五年には債務国になったんですよ。だから、この考えをとれば、まさにその典型的な母国であるアメリカが債務国に転落しているわけです、日本だって危なかったんです。今だって国家陥没の危機に達しています。
ただ、幸いなことに、戦後六十三年ぶりの、税収が国債よりも少ない国なんですけれども、我々は、現在二百五十兆から三百兆の対外債権、海外に金を貸しているんですよ。世界一の金持ち国家なんです。これは全然、敗戦国だけれども、違います。これをいかに活用するかということですね。
それでその次、三番目は、日本はもはや平成恐慌、それから四番目は、クリントン・モデルが参考になると書きました。
ここのところはちょっと図表をごらんいただけますか。恐縮ですが、めくっていただきますと、こういうのがございますね。カラーで下が黄色くなっていまして、上に図表がございます。ちょっと小さくて恐縮ですけれども。
私は、こういう平成恐慌というような意見を持っておりますので、どういう根拠かということをしっかりと申し上げたいと思います。
まず、左の上、上が昭和恐慌、下が平成恐慌です。実は非常に似ております。違いは、昭和恐慌というのは二年間でどかんと来た。しかも、平成恐慌は、実は始まったのは一九九八年からデフレなんですけれども、実際には二〇〇一年、小泉構造改革になってから加速されまして、まだ続いているんですよ。国民は真綿で首を絞められているようになって、ゆでガエルという表現がございますね、まさにゆでガエルで、微温の中でカエルがいい気持ちだと思っているうちにだんだんと干上がっちゃうという例がございますが、そういうような状況です。
左上を見ていただきます。昭和恐慌は、実はこのときも、一九二五年からGDPデフレーターはマイナスでした。上のグラフの赤線で右下に点線がとんとんと落ちているのがGDPデフレーターの数字でございます。これは一九二四年を一〇〇にして、二五年から前年に比べてマイナスになってきましたから、それをこういうふうに指数化したものです。
それで、一九三〇年に、当時の浜口雄幸、この方は大蔵省出身の憲政会の首相です。この方と、それから日銀出身の井上準之助大蔵大臣、この二人の方がタイアップして昭和恐慌ということをして、財政を、思い切って、前年に比べて五%、一〇%削減しました。その左上のグラフで黄色になっていますね。一〇、一五と落ちています。これで落ち込んで、それで結局、その下を見てみますとマイナス三〇とありますでしょう。つまり、デフレが始まってからもう三〇%もデフレになった。
そこで、一九三一年九月に満州事変が起きたんですね。それで、その後、浜口さんも井上さんも二人とも暗殺されていますけれども、その後、政友会が政権をとりました。言うならば、政友会というのは党人派ですから、今回民主党さんが政権をとったのと同じように、官僚政治から党人派政治といいますか、そういう政治的な変換があったことは事実です。そして、今度は高橋是清が財政を中心にどんどんと支出をする。同時に、金本位制を緩めて、金融を緩め、金利も下げるということにしました。上のグラフの黄色が、三一年のところからぐっと上がっていますが、これが二二とか二〇とかありますが、これは財政支出の前年度比です。
一方、下をごらんいただきますと、平成恐慌というのは、まさにこれと類似して考えますと、これを横にずっと伸ばしたような感じでして、GDPデフレーターと言われるこの赤ですね、これが一九九八年からマイナスで、既に現在はもう二〇%に達しています。非常に怖いのは、昨年十―十二の経済の速報値が出ましたね。そのときのGDPデフレーターはマイナス三%です。これは初めてです。デフレは一挙に進みます。
それから、その下のところの黄色にありますね、これが投資項目でございまして、公共投資、それから地方交付税交付金をどんどん削減して、三〇%の削減。そうすると、数字の上で昭和恐慌に非常に似てきております。ただ、昭和恐慌のときはどかんと来たから、我々は満州事変なんかが起きて大変だと思ったんですが、今は、ゆでガエルみたいになっているということではないか。真綿で首を絞められているような状態ですね。
その下をごらんください。日本は政府投資で民間資本を補完する経済体質だ。ここに実は日本経済を見る一つのポイントがあるんです。
先生方は十分御存じと思いますけれども、グラフ化してみますと、これは、一番左が一九七三年、第一次石油危機のときから始まっています。それで、上のグラフは、赤いのが歳出額、その下が税収です。ですから、第一次石油危機以降ずっと歳出額の方が多いんですよ。つまり、財政はいつでも赤字です。この赤字分は、実はほとんどが建設国債なんですよ。
どうしてかといいますと、第一次石油危機以降、日本は大変に輸出が伸びましたから、国民の預貯金がふえました。だから、この国民の預貯金を民間企業では使い切れなくなったんですよ。そこで、それを何とか国内で回さないといけないから、そういう面から公共投資というのが大きくクローズアップされて、それが社会資本の充実となってきたわけです。これははっきり言って大変成功でした。成功だったから、その一番下に、名目GDPが下から右に上がっていますね。こういうふうにして安定成長がずっと継続したんですね。
それで、バブルで確かにこれはつまずきました。だから、その後、税収が減った。税収が減ったから、さあ大変だというので、一九九六年に橋本財政改革を発表して、九七年に増税と公共投資を削減するという財政改革をやった。ここで、がくんと経済が、今までのこういうパターンがとまってしまった。それで金融恐慌も起きました。
それから、九九年から二〇〇〇年にかけて、小渕内閣のときですけれども、公共投資を出したりして一時は成功したんです。ところが、二〇〇一年から小泉内閣が構造改革と称してやったことは、前の橋本改革と同じことです。さらにそれを極端にやった。さっき申し上げております。国内を締めつけて、基礎的財政収支を一時は黒字というふうにしましたけれども、それは結局、輸出に伴う税収が主で、二〇〇八年のリーマン・ショックによって一挙にそれがついえた。それで、これがまさにワニの口のように開いちゃった。
まさにこれで言えることは、日本はやはりまだまだ貯蓄があります。輸出が伸びていますから、貯蓄もこれからふえます。減ると言う人はいますけれども、高齢化に伴い減るということはあっても、まだまだ貯蓄は流れとしてはふえると私は思っています。ですから、そういうことを考えますと、やはりこういうふうにして、民間投資では賄えないものをしっかりと政府投資でやっていかなきゃいけないことは事実です。
ただ、問題は中身です。
その次のページをごらんくださいますか。右上の二ですね。この右上の二は、はっきり言いまして、国民がいかに今までだまされてきたかということです。
二〇〇二年から七年ぐらいまで、イザナギ以来の好景気だなんて言われましたね。しかし、これは実質成長だったんですよ。実質成長というのは、これに書きましたとおり、デフレが進んでいるときには、デフレの裏返しにすぎないんですね。
そこのグラフの下の方に、右下に点線ですとんと落ちているのがGDPデフレーターの推移です。一九九七年を一〇〇にしていきますと、ずっと下がりまして、今、ここのところではどかんと落ちましたから、右下に一三とありますけれども、これがもう一七、八まで、いずれ、すぐ二〇%になると思います。
実質成長というのは名目成長からGDPデフレーターを引いたものですから、GDPデフレーターがマイナスですから、マイナス、マイナスでプラスになっちゃうんですよ。それで結局、実質成長だ、実質成長だと小泉さんがやった。特に自公政権時代、ついこの間までそうですが、言ってきた。しかも、イザナギ以来の景気拡大だと言ってきましたね。
実を言いますと、イザナギ景気というのは一九六五年からほぼ五年間続きました。名目GDPは倍増しました。しかし、毎年減税しながらも、税収も二・二倍ぐらいになった。本当にイザナギ以来なら、税収も上がらなきゃいけないんですよ。上がっていないでしょう。
論より証拠で、これはもう本当に国民がだまされた。本当に、自公政権というのはそういう意味では国民だましもいいところです。きょうお差し上げしました私の本の第一章は「国民はこんなに騙されている」と書いてある。全部客観的データです。
その下をごらんください。
名目GDP国際比較。これはやはり、一九九七年を一〇〇にして見ますと、一番右下でどかんと落ち込んじゃっている。今はもう四百七十だ。しかし、これは早晩、すぐ四百五十に落ちると思います。
その次のページをごらんくださいますか。どうしてこうなっちゃったのかということです。
実は、これは基本的には投資が足らないんですよ、経済の理屈からいいまして。
それで、この投資が実際に名目GDPあるいは我々の国民生活にどの程度プラスになっているかという判断をする基準は、御存じと思いますが、純投資という概念があるんですね。純投資というのは、設備投資の増加から減価償却を引いたものです。
それでいきますと、上のグラフは民間です。右の方を見てみますと、小泉デフレのときには少し上がったり下がったりしましたけれども、今はどかんとおっこちちゃった。それから、下は今度は公的資本、つまり公共投資の増加ですね。これを見ていきますと、この左上から右下に落ちている赤い線、これは公共投資の増加です。毎年落としてきました。それから、下から黒で右上にとろとろ上がっているのが資本減耗額、つまり減価償却。二〇〇七年からこれが逆転しています。
つまり、完全に国家陥没の段階に入っているんです。ここに大きな問題があって、だから、民主党さんの、連立政権の方針で、まさに生活第一、そちらの方へお金を回していこう、この考えは正しいんです。もっとここにウエートを置かなきゃいけないということは、こういうところではっきりしています。
その次のページをごらんくださいますか。
実は、こういうときにどうしたらいいかというので非常に参考になるのは、アメリカのクリントン元大統領が一九九三年から五年で財政赤字を解消した、こういうのがございますね。これは余り日本では言われていないんですけれども、これを見てみますと、非常にはっきりと方法がわかると思います。
まず、クリントンのモデルの上を見てみますと、まず、歳出総額、毎年三・二%。それを義務的経費と裁量的経費ということにして、問題は、歳出総額のふえた分を、その下に社会的共通資本と書いてありますけれども、これは政府投資、政府が有効需要喚起のために支出している数字です。道路・輸送、それから地域開発、教育訓練、ここに集中したんですよ。実にこれを八年間続けたんですよ。それで結果的には経済が活性化した。それから民間投資も出てきた。それから、ITなんかについては、当時出ましたけれども、投資減税を積極的にやっています。
それで、その左下のグラフですね。
時間の関係がありますから細かいことはちょっと御説明できませんが、このグラフは、右の方のところに一三三とありますけれども、財政支出というのはこの八年間で一・三三倍になっているんですね。ところが、中身を社会的共通資本とか公共投資に集中した結果、一・四六とありますね、一四六。だから、中身のウエートをそういう投資項目に集中して、その結果、その上の名目GDPが同じように比例して上がってきているということになります。
それで、右下が財政赤字の解消です。クリントンの財政政策、その上の右の方に書いてありますが、毎年、歳出額を年平均で三・三%ふやした。アメリカはこのころ財政赤字で、しかも債務国ですよ。日本は債権国なんですよ。それでも、アメリカは債務国だけれどもこれをやった。
それから、社会的共通資本、そういうようなところに政府投資をやって、有効需要を喚起した。
中小企業に対しては投資減税をやった。
それから、財政健全化のために、所得税の最高税率が三一%だったのを三六%に上げる。それで、さらに付加価値税というのを課しましたから、実は最高税率は三九・六です。所得税を上げたんです。累進課税を強化した。それから、法人税も三四から三五に上げました。それからまた同時に、加速償却分を調整するというようなことをした。
要するにアメリカの民主党の考え方は、今、オバマも同じなんですけれども、有効需要が足らなければちゃんと政府がそれを喚起するようにしますよ、そのかわり、景気がよければ所得が上がるでしょう、法人所得も上がるでしょう、そうしたら、税率は上げておくからちゃんと政府に返してくださいね、こういう政策なんです。だから拡大均衡していくんです。
その次を見てくださいますか。その次のページをめくってください。
そうすると、皆さんの方からは、いや、そんな金は日本にないよ、財政赤字だとおっしゃいますね。しかし、そんなことはありません。私は、この表から、日本は財政危機じゃないということを申し上げます。
純債務で見た日本の財政、左の方をごらんいただきますと、粗債務とありますね。そして、粗債務の下には八百四十七とありますでしょう。この数字は実は、二〇〇八年十二月末なんです。これは金融資産との関係でこういう形にしておりますが。
これで見ていきますと、上の五百四十五というのは一般会計なんです。その下は特別会計なんです。特別会計が実は三百二兆ある。この特別会計というのは、実は国民の債務じゃないんですよ。先生方が十分御存じのとおりだと思います。
その下をごらんください。もっと内訳にしていますね。そうすると、これは何かといいますと、政府が集めたお金を財政投融資で貸す、あるいは短期証券で集めたお金でアメリカの国債を買ったり、それから外貨を買ったり預金したりしている。そうすると、最終的に特別会計の債務を払ってくれるのは、右下のところに書いた最終借入人なんですよ。だから、これは全然国民の債務じゃないですよ。ですから、八百兆だ八百兆だ、大変だ大変だともう十何年前から言い続けていますが、全然オオカミが来るはずはありませんよ。
ですから、先生方にお願いしたいのは、チェンジは、まずこれを変えてもらいたい。発表をやめることです。特別会計は別計上する。そうすれば、現在大体五百四十兆ぐらいです。少し今回上がるといったって、それはその右にあるとおり社会保障基金等でかなりカバーされていますから、純債務という形で見れば、真ん中辺にある三百九兆、現在大体三百兆ぐらいです。
その次のページをごらんください。その次のページは、私の意見を裏づけるようにして、上には加藤寛さん、税制調査会長を十年もやられた方が産経に、純債務で見れば二百五十兆、債務の半分は二重計上と書いていらっしゃる。財政危機じゃないと。加藤寛さんがおっしゃるんだから間違いないんですよ。
それで、その下を見ていただくと、私がさっき申し上げたとおり、日本の資金循環を見ますと、お金が余っているというのはこの数字でわかるわけです。一番左が個人ですね。これは、家計、企業、政府、海外と来ますと、最終的に余るのは一番右に行くんですよ。そうすると、これは、あの二〇〇二年のときには百五十兆ぐらい。ところが、小泉構造改革で国内をぎゅんぎゅん締め込んだものですから、余った金はどんどん海外へ行って、二〇〇六年には三百兆。今、少し下がっても二百五十兆あります。これだけの金はあるんですよ。
こういうことを言いますと、反対する人は、いや、それはみんな使っているじゃないかと。とんでもない。使っているのもありますよ、アメリカの国債を買ったり。でも、証券投資した分なんか、日本の景気がよくなれば戻ってくるんですよ。十分使えます。
それで、時間の関係で、恐縮でございます、最後にもう一度、一枚のメモに戻っていただけますか。最初に申し上げた一枚のメモの裏をごらんください。
まず、民主連立政権は何をチェンジすべきなのか。今申し上げました。一番チェンジすべきなのは、やはり金融財政政策の全面的転換、デフレからの脱却だと思います。今までも、例えばアメリカ大恐慌もそうですし、それから昭和恐慌もそうです、政権がかわったときに何をチェンジしたかというのは、財政金融政策をチェンジして、国民にデフレから脱却しろと安心感を与えることです。まだちょっとこれからの段階でしょうね。これを一つぜひお聞きしたい。それから、その辺につきましては、今申し上げた財政危機でないということもきちっと国民にも言っていただきたい。
それから、冒頭に申し上げた金融三点セットというのも、実はペイオフなんかでも、アメリカなんかでは今、全面停止しています、ヨーロッパでも。日本はこれをやっています、時価会計、減損会計。
この辺のところは亀井大臣がかなり頑張っておられるようですけれども、本当ならこれはストップすべきです。アメリカは停止していますから。アメリカという国は大人なんですよ。こういうのをつくっておくけれども、いざというとぱっと変えちゃう。日本は、一生懸命でまじめなんですね。守り過ぎて、それで結局、首を絞めているのは末端、末端というか一般の企業です。
それで、最後にデフレ解消策ですが、まず輸出大国から社会大国、これはもう既に内需拡大ということをおっしゃっておられますけれども、そういうことにしていただきたい。
輸出大国というのは、皆さん御存じと思いますけれども、現在、輸出しますと消費税は五%還付されますから、依然として輸出業者には五%の補助金が出ているんです。だからみんな輸出するんですよ。私は、輸出がそう伸びることは否定はしません。しかし、国内をもっとグレードアップすることを考えるべきだと。
それで、中心になるものが、医療とか医療産業、脱石油、環境、教育、農業ですね。特に、今いろいろと、既にもう昨年暮れに民主党さんが長期戦略を出されていますから、それは私は結構だと思います。ただ、焦点としては、医療、エネルギー、脱石油、それから環境、こういうものに焦点を絞って一つのプロジェクトをつくって、もう五年、十年単位ぐらいです。それでこれは、まず社会的インフラをつくり民間投資を呼ぶような形、これをぜひやっていただきたいと思います。
重要なことは、消費よりは投資なんですよ、今足りないのは。投資を喚起しなければ経済は成長しません。ですから、消費減税をしろということを言う人がいますけれども、私は、消費減税をする余裕があるなら投資減税です、そっちの方にやるべきだと。
それで、私が考える五カ年の二百兆プランといいますのは、毎年四十兆を五年継続する。そして、政府投資で三十兆、それから投資減税等で十兆、こういうものを続けていただくのがよろしいんじゃないかと。財源は、そこに書きましたとおり、私は、特別会計の埋蔵金、今まだ七十兆ぐらい、この三月末にも出ると思いますが、可能な限り、例えば五十兆なら五十兆捻出する。
それから、特別会計は全面的に今見直しをされておられると思いますけれども、原則特別会計は廃止されるといいと思います。それによって、そこからきちっと捻出したお金で投資勘定に向ける、一般会計ですね。
それから、あとは、法人税、今三〇ですね、これを四〇%に引き上げる。中小企業には投資減税をする。所得税の最高税率を四〇だったのを五〇に引き上げる。高所得者には控除削減をする。低所得者は減税する。それから、地方税のフラット税制、今一〇%フラットですが、これはぜひ累進課税の一五%、二〇%に引き上げていただく。こういうことによって、所得の再配分機能を強化していただく。
それから、政府が投資する以上は、ちゃんと法人税も所得税も上げるんですよ。今、金持ちは裕福で、六本木族みたいなのがたくさんいるでしょう。あれはツーマッチなんですよ。この前、菅副総理があそこにはたくさん減税していると言うけれども、そのとおりだと思います。
それで、最後に申し上げたいことは、こういうふうになりますと、私の計算では、名目GDPは四―六%、実質で三―四%、五年目には六百五十から六百八十兆。今民主党さんが十年で考えられているのは五年でできます。税収は五年目で七十から七十五兆。純債務で見た国民負担率というのは五年で四五%ぐらい、今これは七〇ぐらいいっているんですけれども、落ちます。
最後に申し上げたいことは、未来にすくむな日本人、危機唱えるよりも行動をと。やはりしっかりと、もうみんな、何か評論家みたいなのがたくさんいるでしょう、あれが大変だ、これもだ。何かこうやりたいと言うと、ああでもない、こうでもない。これじゃだめなんですよ。本当に日本は、そういう意味では苦境に弱い国だなと私はつくづく思います。もともとそうじゃなかったと思うんですけれども。ですから、ぜひ、危機唱えるより行動を、そのリーダーとしてこの連立与党が多くの国民を指導していただきたいと思います。
どうも御清聴ありがとうございました。
○中林委員 民主党の中林美恵子でございます。
~中略~
そうした中で、もちろん、私の地元である横浜でも多くの有権者の方々から日本の台所は大丈夫かという声をいただきますけれども、ことし、昨年度の予算と比較いたしまして、税収は昨年と比較し一八・九%落ち込んでおります。ところが、ことしの、つくっておりますこの二十二年度予算では、昨年度の当初予算に比べまして国債費は二・〇%の伸びで済んでいるという点は、数字で見るだけでも、来年度の予算をつくるのに当たって非常に大きな努力がされたと高い評価をしていいのではないかというふうに私自身は考えております。
公述人の皆様のお一人お一人の、来年度、平成二十二年度予算に対する評価を一言ずつ、お一人ずつからちょうだいいたしまして、あと幾つかの、新しい公共についてなどの御質問を続けさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
~中略~
○菊池公述人 私は、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、非常にいい予算だと思っています。もともと自公政権の、本当にツケのツケですよ。
まず、今年度、二〇〇九年度予算でも、税収が九兆も落ちているんですから、これは本当に今までの歴史になかったんじゃないでしょうか。きょう、残念ながら自民党さんがいらっしゃらないので、こういう重要なことを聞いていただけないのは本当に残念です。公明党さんがいらっしゃるんでしたら、公明党さんも責任がございます。やはりそれは、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、日本がまさにこの十年間、経済政策の根幹を間違ってきたんですよ。はっきりそれを認識すべきだと思います。
間違ってきた理由を幾つか先ほども申し上げましたけれども、追加で申し上げますと、やはり、財政を締めて金融でやればいいという、アメリカの一種のマネタリストというか、そういう考え方が底流にあったんだと思います。竹中さんもそうです。大体、当時の御用学者さんの方はみんなそうだと思います。
結果的にはどうですか。金はどんどん出たけれども、どこか行っちゃって、アメリカか何かで使われて、石油なんか暴騰して、日本もかえって首絞めちゃったということですよ。そしてデフレは解消していません。
だから、はっきり言えば、過去の十年の一つの教訓は、マネタリスト的な考え方はもう失敗だということが証明されたんですよ。だから、先ほど申し上げたとおり、日本経済の体質から見て、財政支出のウエートをきちっと位置づけないといけない、こういうことが証明されたと思っています。
<転載終了>
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コメント
利他不動さま>
>「自分で考えられない」「判断できない」
>「自立しない」「人が動く方向について行く」
>「政治に無関心」「娯楽とワイドショーが大好き」。。。
このほうが楽ですからね、何といっても。
しかしこういう人たちほど、「民主的に話し合え~」「強行採決は汚いぞ~」って叫ぶんですから、もう、何とかにつける薬がないとはこのこと。
このB層の「B」は単に電通あたりがA・B・C・Dと符丁を振っただけということですが、どうしても馬鹿の「B」にしか思えません。
何が馬鹿か。
民主主義とは、デモクラシーとは、豪華な宮殿に住んでフルコースを食べることではなく、まず自分たちで木を切り、丸太小屋を造って、畑を耕すところから始めなくてはならないということが分かっておらず、デモクラシーの結果だけを横柄に要求する、という点で、B層は間違いなく大馬鹿です。
政治のことが分からぬ?
分からんかったら、ネットで調べるなり、図書館に行くなり、本屋に行くなりすれば、少なくとも理解の手がかりや問題の所在はつかめるはず。手元に携帯電話あるんだから、携帯電話からググればいいじゃないか。
それすらしないのがB層。
「忙しいから」「新聞で十分だよ」
こういって愚民階級に自ら甘んずる。
それこそが、権力をおもちゃにする下衆野郎(清和会、大手マスコミ、経団連、そして売国官僚ども)の思うつぼだ。
弱さに甘んじる人間は、他人からしてもらうことばかり考えるし、他人の財布が豪華に見える。だから、スキャンダル報道は大喜びで見る。
「政治のこと、分からん」といって考えることを放棄し、惰性で投票行動を行う人には、政治は絶対にしっぺ返しを加える。
ヴァイマル共和制下のドイツでヒトラーが台頭したのも、英仏等から課された天文学的な賠償金とニューヨーク発の世界大恐慌による経済の混乱で、人々が不安になって、でも考えることを半ばあきらめた、そのすきに、ナチスが浸食して、合法的にデモクラシーをねじ伏せた、という20世紀の苦過ぎる教訓があるのに…。
投稿: ろくぶんぎ | 2010年4月12日 (月) 14時07分
ろくぶんぎ様
勉強になります、ありがとうございます。
しかし、小泉進次郎と石川遼くんが同じレベルにされるのはちょっと辛いですね(笑)
「自分で考えられない」「判断できない」「自立しない」「人が動く方向について行く」「政治に無関心」「娯楽とワイドショーが大好き」。。。
書いているだけで鬱になりそうです(笑)
子どもたちには、こんな大人にならぬよう、教育していけば良い。
問題は、今の大人たち。
やはり、賽の河原の石積みですかね。
投稿: 利他不動 | 2010年4月11日 (日) 23時29分
経済コラムマガジンで、社会保険料の半減と保険金積立金の取り崩しを原資とする、有効需要創出のアイデアが提唱されています。
本来なら政府貨幣の発行と日銀の政府貨幣引き受けによって積極財政を行い、日本政府の持っている債権と、対部分が日本国内で保有されている日本国債をとりかえることで国の借金も解消する、というのがベストと思います。
しかし、未だに新自由主義バンザイ(=産業空洞化バンザイ・労働者こき使いバンザイ)がマスコミでまかり通っており、財務省が粛清されておらず、菅直人財務大臣が十中八九、白人寡頭勢力の手先と化した財務官僚に騙されている状況は、非常にもどかしい限りです。
(大体、政府貨幣と波被告の円天とを同一視しているマスコミが未だにいるというのは、ほとんど絶望的です)
それにしても、小泉進次郎は酷過ぎる。
財政金融委員会での亀井大臣に対する失礼千万な質問は、進次郎が「脳味噌カラッポ」ということのきわめて有力な傍証でしょうし、馬鹿さ加減はしっかり親父から受け継いでいるということでしょう。
進次郎がいいのは顔だけ。
しかし、小生の周囲の人間は「進次郎クンって、石川遼クンと同じくらい、さわやかよねぇ♡」とか言う奴がいる始末…。典型的な馬鹿です。
こういう人たちが「安けりゃいいじゃない」でユニクロに群がるし、「楽だし、そこそこおいしいよね」で炊事を怠りマクドナルドを子供に食べさせる。
それでも賽の河原には石を積まなければならない。
投稿: ろくぶんぎ | 2010年4月10日 (土) 11時17分