「リクルート事件・江副浩正の真実」から ~ 清和会と森ビル(森稔社長) そして「恫喝」「拷問」の神垣清水検事(現公正取引委員会委員)
「リクルート事件・江副浩正の真実」に、「安倍晋太郎氏(清和会二代目会長)と森稔氏(現森ビル社長)との出会い」について書かれている。
江副氏は、昭和49年(1974年)、当時農林大臣として初入閣した安倍晋太郎氏の祝いの席に友人の誘いで出席。その一ヶ月ほど後、「経済の第一線で活躍している若い人の話を聞いていきたいと思っている」安倍氏から声がかかり、二人での会食。以降、安倍晋太郎の人柄に心を傾斜していき、会合を重ねられたようである。そして安倍氏からの依頼で、会合には若手経営者や政治評論家にも声をかけ同席させたこともしばしばであった。その同席させた若手経営者の最初が森ビルの森稔氏(現社長)であったそうだ。
以下、その部分を抜粋し引用させていただく。
<引用開始>
その食事の席で、安倍先生は私に言われた。
「少人数でいい、若い人を連れてきてくれないか。君のような辛口の人の話を聞きたいのだよ。」
「君のような辛口の人の話を聞きたい」と言われ、私は嬉しかった。
私は最初に森ビルの森稔さんを誘った。夜九時からの会食で、森さんは既に酔っていた。
「先生、自民党の公共投資は、地方ばかり。公共投資を東京に回してくださいよ。東京の都市のインフラの整備が遅れています。地方からの高速道路が東京に繋がると、首都高は渋滞します。東京の公共投資は見返りがある投資です。例えばマッカーサー道路(駐留軍によって新橋から虎ノ門まで市街地再開発のために計画決定された復員四〇メートルの道路)計画ができて三〇年以上経つのに、まだ完成していません。地方に比べて東京の道路整備は遅れているんですよ」
安倍先生は細い目をさらに細められ、笑顔で「東京の自民党の議席が増えれば、東京の公共投資も増えますよ。森さん、自民党の東京の議席を増やすよう、東京の自民党の代議士を応援してくださいよ」と言葉を返された。
安倍先生に電話がかかってきて、席をはずされた。その間に森さんは眠り始めた。先生が戻ってこられ、私は「森さん、森さん」と起こそうとしたが、「うん、うん」と言って起きない。先生は「寝かしておいたら。僕にいくら言われても、東京の道路はよくならんよ」と、笑っておられた。
それ以降、私は月に二回ほど夜九時過ぎから安倍先生とお目にかかるようになった。二人だけの時もあったが、若手経営者や政治評論家が一緒の時も多かった。
三塚博代議士、加藤六月代議士、そして安倍先生と会う以前から親しい間柄だった森喜朗代議士など福田派のホープを紹介された。
<引用ここまで>
植草一秀氏の 「知られざる真実 -拘留地にて-」 には、森ビル社長の森稔氏と小泉純一郎氏との親密な関係が書かれている。六本木ヒルズには小泉政権や米国政府と近い学者や元官僚などのオフィスも誘致しているそうである。
その森稔社長と清和会との関係構築に至る起源は、上記の通り、昭和49年(1974年)の安倍農林大臣、江副浩正氏との三者での会食にあるかもしれない。
もしも森稔氏が、この日の会食よりも以前に福田派の議員と接触していたならば、それ以前に起源があることになるが、文面を読む限りでは、森稔氏にとって自民党代議士との会合はこれが初めてであったのではないかと思える。この会食以降、江副氏は福田派のホープを紹介されていることから、1979に発足する清和会との関係を深化させたことは容易に推察できるが、森稔氏もまた江副氏と同様、これを機に安倍氏を通じ清和会との関係構築を進めたのではないか。
ただし、江副氏は自身が清和会のみならず、経世会、中曽根康弘氏、宮沢喜一氏など、純粋に日本の政治のために幅広く政治家への支援を展開されたように書かれている。森稔氏はどうであったか? 残念ながら時間の制約から森稔氏と清和会以外の政治家との関係を調べるには至らず、現状は情報不足のため不明であるが、他の派閥・政治家との関係はどうであれ、森稔氏と清和会との抜き差しならぬ関係については、植草一秀氏が書かれた通り である。
清和会(現在の清和政策研究会)と検察の関係について、三井環氏 の裏金問題告発を機に、当時首相であった売国者・小泉純一郎氏が、裏金問題が表沙汰にならぬよう検察に貸しをつくり、以降、検察は小泉氏と清和会のための国策捜査部隊となり、多くの事件を捏造し無実の善人を犯罪者に仕立て上げたという経緯がある。当然のことだが、清和会関係者の犯罪が検察の捜査対象になることはない。よって郵政の「かんぽの宿疑惑」も、議員さん方の迂回献金も、現在の検察が腰を上げることはない。
「ああ、森稔さんは36年も前から清和会と繋がっていたんだ」と、ルーツは昭和49年の安倍晋太郎農林大臣との会食にあり、36年もの積み重ねが「知られざる真実 -拘留地にて-」に書かれた通りの、清和会と検察にも通じる親密な関係構築をもたらしたということを、認識しておきたい。
さて検察といえば、「リクルート事件・江副浩正の真実」において、江副氏が検察とマスコミに嵌められ、地獄へと落とされた苦悶の日々を綴った記録は圧巻である。
読みながら「江副さん、駄目だ!ダマされるな!調書にサインするな!」と、思わず心の中で叫んでしまった箇所もあった。
地検(特捜)の犯罪行為とマスコミの暴力を、これまでに得た情報と照らしながら拝読した。
読まれた方は誰もが、この20年以上前に起きたリクルート事件と近年起きた諸々の事件とを、重ね合わせるであろう。昨年の「西松建設疑惑での大久保秘書逮捕(三三事変)」、本年の「陸山会疑惑での石川知裕議員、大久保秘書、池田秘書の逮捕(一一五事変)」、現在公判が進行中の「郵便制度悪用事件での村木厚子氏」、実質無罪の佐藤栄佐久・前福島県知事、遡って鈴木宗男氏、佐藤優氏などへの国策捜査。。。
要するにワンパターンなのである。ワンパターンに江副氏の記録から新たに判明した実態も合わせ、ポイントをまとめると以下の通りである。
・そこに事件があるのではなく、事件は特捜が捏造し無実の人を犯罪者に仕立て上げる。
・自らの調査はせず、新聞、テレビ、週刊誌などの記事から事件性を「想像」し、誰を犯罪者にするか、容疑は何であるかを決定する。
・想定している容疑や事件の悪質性、一斉捜査や逮捕の日時など、情報をマスコミにリークし、世論の風を起こし、検察優位の体制を整える。
・取り調べでは「恫喝」「拷問」などの人権蹂躙は当たり前。被疑者を落とすための常套手段。
・相手の言い分は無視、事前に作成した調書にサインをさせることが担当検事の仕事。そのためには虚偽の情報で不安にさせ「司法取引」にまで持っていく場合も多い。
”山口一臣編集長からの続報 「検察の『抗議』に抗議」のウラ話” にも登場した、(本年明けてからの陸山会疑惑で検察擁護の発言を続ける)宗像紀夫氏や樋渡利秋・現検事総長なども実名で登場する。宗像氏から担当検事を引き継いだ神垣清水(かみがきせいすい)氏もやはり実名で登場する。
神垣氏は現在、年次改革要望書(米国からの命令)の通りに日本改造に邁進してきた公正取引委員会の委員になられている。江副氏への「恫喝」「拷問」「司法取引」と、悪行を駆使した取り調べの成果もあろうか、平成11年には最高検検事、その後横浜地検検事正を経て、平成19年から現職に就かれているようである。
当時の神垣清水検事による江副氏への人権蹂躙を何点か挙げてみる。
・言葉で罵倒し怒鳴りつけ萎縮させる。
・江副氏の椅子を蹴り上げ、江副氏が床にたたきつけられそうになる。
・朝から晩まで一日中、壁に触れんばかりの距離に立たせ、目を閉じぬよう命令し、壁から顔を話したり目を開けたりすると、耳元で大声で怒鳴りつける。
実際にどのような言葉を発したか、これ意外にどのような犯罪行為が取調室で行われたか、これらの人権蹂躙がどれだけの期間続けられたかを知りたい方は、是非「リクルート事件・江副浩正の真実」を購入していただきたい。
江副氏に人権蹂躙を犯した神垣清水氏(現在)はこの方(右から二人目)
写真:公正取引委員会HPから
「リクルート事件・江副浩正の真実」 については、既に読まれた方も未読の方も、是非とも下記をご参照いただきたい。
Aobadai Life様 が”「江副浩正の真実」のこと。” と ”検察とメディア” と昨年11月に2連載され、宗像検事の言葉も引用されながら検察の実態を詳述されている。
また植草事件の真相掲示板 ではバード様が1月に”取調べ(事情聴取)から逮捕まで=特捜部とメディアの「共演」の真実” にて、詳細に引用されている。
【誤記を修正しました(3月3日)】
誤:
「ああ、森稔さんは48年も前から清和会と繋がっていたんだ」 ~中略~ 48年もの積み重ねが~
正:
「ああ、森稔さんは36年も前から清和会と繋がっていたんだ」 ~中略~ 36年もの積み重ねが~
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小林興起氏の 「主権在米経済」2006年5月刊
関岡英之氏の 「拒否できない日本」2004年4月刊 (小林興起氏はじめ”抵抗勢力”とされた議員が郵政民営化に反対する端緒となった著書)
植草一秀氏の 「知られざる真実 -拘留地にて-」
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コメント
卒業生の有名人の中に名前が出ていないのはなぜか?
吉永裕介の名は出ている。
投稿: 大学の先輩 | 2016年7月 5日 (火) 13時07分
江副氏は頭脳とタイミングで成功されたのを間違えたプライドを持つ役人に嫉妬され、死程の拷問を受けた。情緒ある貴族的な内容を持つ江副氏。おおよそ、かっこよくスマートであることをすでに諦めた人が、国益などそっちのけ、己の肉を引きちぎっても、氏を残酷な手で倒したかったと読み取れる。この数年間で生気を吸い取られたがごとく貴公子の顔は痛々しかった。そのような環境で育った鬼には、エリートの氏は太刀打ちできなかったのは当然。今、天国でコンサートへの尽力と社交ダンスで過ごされてるのか?安らかにお休みくださいませ
投稿: 華ネズミ | 2014年1月13日 (月) 02時04分
申し訳ありません。誤記がありました。
森稔氏と清和会の関係が48年に及ぶとの記述について、36年の誤りです。
後程訂正いたしますが、取り急ぎコメント欄からお詫び申し上げます。
投稿: 利他不動 | 2010年3月 3日 (水) 08時35分