原理原則を考えれば八ッ場ダムの結論は中止
このところ、八ッ場ダムの問題について自分の考えを書きたいと思っていたが、なかなか時間を取ることができず、ムズムズしていた。
八ッ場ダムへの私の思いは決まっており「即刻中止」「住民への最大限の補償」「水没予定地域の再建」以上である。
これは予算の問題ではない。これまでの倍であろうがそれ以上であろうが、失われた日本人の誇りと魂を取り戻すために、誤った過去を清算し心豊かな日本を取り戻すために、予算なんぞ無視して取りかかるべき課題である。
14~15年前であるが、川原湯温泉あたりから上流の、その景観のすばらしさに圧倒されたことを思い出す。丁度紅葉の時期であった。草津方面に向かう車を止め、途中下車し、鹿飛橋から不動の滝あたりまで、紅葉と落ち葉の中を散策した、その時の情景がしっかりと今も思い浮かべられる。出会った地元のみなさんの、素朴で優しい人柄を思い出す。
しかし、私の八ッ場ダム建設中止への意思は、そのよな情緒的なものが判断材料とはなっていない。
物事の「原理原則」を考えれば、このような結論に至る、それだけのことである。
私は、日本だけでなく、世界規模でこれ以上のダム建設は、余程の理由がない限り廃止すべきとの考えを持っている。
環境破壊、環境異変、生態系破壊、そして歴史と文化の喪失と、リスクがとてつもなく大きい。
日本でのダム問題では、立ち退き要求を受ける住民同士の人間関係が崩壊し、その結果、家庭と地域社会が崩壊する事態にまで陥っている。賛成か反対かで深くひびの入った人間関係が、今後修復するかは不明である。しかし、先祖代々その土地を受け継いできた者であれば、補償さえあれば、誰もが再度元の居住地に戻りたいと、そうは思わないだろうか。私が故郷で同様の問題を抱えれば、100%間違いなくそう思う。
生まれ育った土地と風景、臭い、歴史、先祖の墓、学んだ校舎、互いに助け合い相談し合った人間関係。そのことを思い起こし、国と自治体、住民とで再建へと話し合う場を、一刻も早く設けて欲しいと願う。長年ダム建設に反対しながら、不幸にも同意し居住地を移られた皆さんには、国が住民の皆さんと膝と膝をつき合わせ、誠実に対応し、納得のいく水没予定地域の再建が得られることを願う。
天下り先を設ける政治家と官僚、利権を求めそこに群がる業者といった、日本を破壊するこの利権集団こそ、破壊されるべき対象である。
優先されるべきは、住民の生活、心、歴史、環境、といったことであり、治水や災害防止については、それが最重要課題であると立証された場合であろう。
それでは、八ッ場ダム問題を考える上で重用なサイトとブログを以下に紹介する。
八ッ場ダムに関心を持つ方であれば既に訪問済みという方が多数であろうが、「これまでは深く考えていなかった」「これから考えてみたい」という方にはお役立ちサイトである。
ちなみに、八ッ場ダム建設推進派のサイトやブログは私自身が読まないし、知っていても紹介しません。悪しからず。
物事を考察する上で、対峙する二つを見ることは重要であるが、ダムのような不要案件について官僚発の偏った報道や推進派の意見を聞くことは、時間の無駄である。
八ッ場あしたの会
八ッ場について考えるなら、まずはこちらのサイトを十分に読んでから考えたいものである。以下のページの他にも、重要情報満載のサイトである。
八ッ場あしたの会が”マスコミの八ッ場ダム報道の誤りを指摘” しています
八ッ場あしたの会に転載された まさのあつこ氏の”八ッ場ダムの七不思議”
まさのあつこ氏のブログ「ダム日記2」
八ッ場あしたの会 YouTube チャンネル (必見!)
保坂展人のどこどこ日記 から
「八ッ場ダム」失敗を認めてこそ日本が変わる
八ッ場ダム、とめどなく溢れる思考停止報道
八ッ場ダム、ユキダルマ式にふくれた「もったいない」の嘘
八ッ場ダムが「災害」を増幅する危険性
保坂展人氏が八ッ場問題を連続で取り上げたため、ブログへのアクセス数が相当な数になったとのこと。
本日(10月4日)にも現地取材のレポートをまとめ、ブログにアップされるそうである。
THE JOURNAL 記事「八ッ場ダム関連に国交省176人天下り!」
八ッ場あしたの会にアップされた”八ツ場ダム推進を審議会で決定した天下り委員の実名入り記者クラブ配付資料(頁の一番下の表)”
次は、リンクしても記事が下の方で探しにくいと思うので、それを転載する。
週刊金曜日<金曜アンテナ(2009/10/2)から転載>
八ッ場ダム建設 自称「住民」町議が中止反対を煽っていた
新国土交通大臣の八ッ場ダム中止宣言を巡る報道が過熱。その裏で、ご当地の群馬県長野原町議会に、報道されない対照的な二人の町議がいる。
一人は中止宣言の翌日、九月一七日に同町議会に提案された「八ッ場ダム建設事業の継続を求める意見書」に、「生活再建については賛成。しかしダム本体着工については取り除いていただきたい」と異議を申し立てた牧山明町議である。町議会が推進に転じて以来、初のダム反対だ。「町民の一定数は反対。その声を今代弁しなければ。“村八分”も誤解もあるだろうが覚悟の上」と心境を語る。
もう一人は、前述の意見書を共同提案した議員の一人。テレビ報道にたびたび登場し、ダムを見下ろす先祖の墓前で「住民」として「ダム完成は住民の悲願」とコメントする星河由紀子町議である。議会後、町議でありながらテレビ出演で「住民」を標榜する理由を尋ねると、「議員として言えば議員全体の考えになってしまう」と弁解。各議員の意見が違うことぐらい視聴者は分かると言えば「深く考えなかった。ウッカリしていた」と応じる。
同議会では、九月一〇日に「八ッ場ダム推進協議会」が、ダム完成を求める署名を「『住民』発議」で始めたと報告された。しかし経緯を聞くと、「突然の中止明言にどう行動を取ったらいいのか分からない住民が相談し、萩原渉県議の考えで集めることになった」と星河町議は述べた。
「住民」を標榜する町議や県議が暗躍する中、九月二三日に前原誠司国交大臣が町を訪れた際には、ホンモノの住民は、いつどこに大臣が来るのかを知らされず、一方的に「意見交換会の中止」を告げられた。「ダム中止反対」住民報道の一角には少なからず演出が混じっている。
まさのあつこ・ジャーナリスト
次に、下記ブログを参照いただきたい。
みなさん、各々の観点から鋭い意見や未知なる情報を提供してくださっている。
棒に怒る日本人から
「八ッ場ダムを考える(1)」
「八ッ場ダムを考える(2)」
「八ッ場の追記」
神州の泉「脱ダム・国土復興」は長期国策にする必要がある!!
反戦な家づくり「八ツ場ダムの責任とは?」
永田町異聞「ダム中止の阻止にうごめく天下りOB」
日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ から
「八ッ場ダム 政権交代あればこそ出て来た国家の膿」
「谷垣総裁が八ツ場ダム視察 「特定事業を血祭り」!?」
私たち国民の声を届けよう!
まだお読みでない方は是非ご一読願います。
小林興起氏の 「主権在米経済」2006年5月刊
関岡英之氏の 「拒否できない日本」2004年4月刊 (小林興起氏はじめ”抵抗勢力”とされた議員が郵政民営化に反対する端緒となった著書)
植草一秀氏の 「知られざる真実 -拘留地にて-」
植草一秀氏の 「売国者たちの末路(副島隆彦氏との共著)」
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コメント
トラックバックをありがとうございました。気づくのが遅くなりすみません。またお邪魔しました。
投稿: まさの | 2010年4月24日 (土) 23時52分