田中美絵子氏は恥じることはない 重要なのは”今”と”これから”
鳩山内閣が発足した。
まずはそのことに触れる前にひとつ、気になる点があるため、そのことを記事にする。
国政から見れば小さな問題ではあるが、マスコミの姿勢、国民一人ひとりのあり方を考えたい。
民主党田中美絵子氏の過去についての騒動。
この件については正直なところ、いろいろな情報の見出しを見た程度であるため、詳細は全く知らない。しかし何故このような、野次馬的に特定人物の過去を暴き面白おかしく報道する、スキャンダルによる個人攻撃(要するに”虐め”)が、蔓延するのだろうか。
私はひとりの人物を評価する際、その過去ではなく、現在を見て判断すべきであると考えている。過去に立派な結果を残した人物であっても、現在はその評価を落としてしまった者もいる。昔は暴走族であった男性が、結婚し、家庭を持ち、一生懸命労働し、会社の模範となっている方もいる。
獄中歌人といわれた島秋人氏の場合は、貧困故の餓えに耐えかねて殺人を犯し、強盗殺人罪で死刑判決を受けたが、彼の人生唯一度、彼を褒めてくれた中学時代の教師に手紙を送ったことが縁で歌を詠むようになり、毎日歌壇への投稿を始め、とうとう毎日歌壇賞を受賞するまでになった。殺人を犯すまでの荒んだ心も、周囲の理解者からの愛情ある支援で過去を懺悔し心改め、毎日歌壇をとるほどまでに(獄中で)安らぎを得たのである。1967年11月2日刑執行。享年33歳。処刑後に歌を指導した恩師の尽力で獄中からの歌集『遺愛集』が発刊された。
島秋人氏は殺人の罪で処刑されたが、しかし、獄中で彼は心優しい人間に生まれ変わり(転生し)、終わりの日を迎えることができた。
人の過去は様々であるが、他人には打ち明けられない過去を持っている方も少なくなかろう。
大事なことは”過去は過去でしかない”ということである。
過去に罪を犯していても、或いは恥ずかしく思う経験をしても、その後、心が変わり、価値観が変わり、正しい人生の生き甲斐ができ、更生することができたならば”転生出離した”ということである。その人の現在をよく観察すれば、転生出離したか、いまだ輪廻しているかは、見て取れる。
過去がどうであれ、現在のその人の言動に誠実さ、真面目さ、社会性などが感じられれば、その人の現在を認め、今後に期待を寄せるべきである。
他人の過去や欠点をほじくり世に晒し、陥れようとすることは卑しいことである。またその情報を得て、他人の不幸を喜ぶことも、また卑しいことである。人生は、その最後に十分納得し満足して終えることができるか、そこが到達点である。満足する結果を得るためには、徳を積み、人としての厚みを増す努力をして行かねばなるまい。
「奇跡のリンゴ」で有名な木村秋則氏は、無農薬無肥料のリンゴ栽培に懸け、その間無収入による貧困から家族を養うため、ホームレス状態での出稼ぎ労働や、睡眠時間を削ってのキャバレー勤務、飲食店・風俗店の便所掃除までして生活費を工面した。しかし、木村氏はその過去を恥じてはいない、逆にその過去に今の自分があると、感謝して生きている。木村氏が結果を出すまでは、非難、嘲笑、侮蔑の嵐であった。しかし結果を出したら、そこまでして生きた木村氏に対し賞賛の嵐である。
善因は善果を生む。良い心で良い行いを続けていれば良い結果がついてくる。
田中美絵子氏も、現在の自分に確固たる正しい信念と目標があるならば、なんら過去を恥じることはない。過去についてもしも負い目があり、それを自ら公開できなかったというなら、そのことを素直に認めればよい。そして堂々と、国会議員の職責を全うしていただきたい。何を目的とし何を目標に国会議員となられたのか、そこからぶれず邁進していただきたい。
最後に私事であるが、私自身、自分の過去は恥ずかしくて口外できないようなことを数多く犯してきた。思い出すだけで悔やみ、恥ずかしく、情けなく思う。そして私のニックネームは、自戒を込め、いまだ自己中心的な自分を改めたいと思い”利他不動”とした。
過去を自己否定し、生まれ変わりたいとの願望によるものである。
【追記】
田中美絵子氏関連で2つのブログを紹介します。
棒に怒る日本人「これがスキャンダル?」 ベンダソンさんのロジックがとても好きです。
反戦な家づくり「中美絵子さんの過去を非難する人々の品性を疑う」 明月氏の筋の通ったところと洞察の鋭さに感服します。
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