終戦記念日に思う 核の問題解決もやはり”政権交代”で
終戦記念日
毎年やってくるが、戦争の悲惨さを知る高齢者の方々は、年々少なくなっていく。
食べるものがなく、痩せた芋を、或いはそのしっぽの部分を家族で食べ、今日を生きることに日本中が必死だった。
それから10年、20年で復興し、世界屈指の経済大国にまで発展させてくれたのは、明治・大正生まれから昭和10年代までの父母・祖父母の世代のみなさんである。
現在の日本の土台となってくれた先祖と先輩方に感謝し、高齢者を敬い、互いに助け合い、子育てを支援する、慈愛溢れる国にしたいものである。
戦中戦後の苦難の時代に比べれば、今は「100年に一度の不況」といっても、職業も選り好みしなければ、取り敢えず生きるための仕事に就くことはできる。車を持ち、食事を楽しみ、酒も飲める、こんな贅沢な不況はない。
さすがに今は選挙モード一色で、「100年に一度の不況」という言葉も聞かなくなってきたが、そもそも、この「100年に一度」という言葉は、過去一度も本土が攻撃されたことのない(9/11テロは別として)アメリカの政治家や財界人の感覚から出た言葉である。
日本では「戦後最大の不況」など、もっと言葉を選んで使ってもらいたかった。
さて、戦争といえば核の問題。
日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ のナカサン氏が書いていらっしゃるように、広島に原爆投下された日に、麻生首相が「核の傘による抑止力」の必要性について発言し、広島と長崎で大批判を浴びたのであるが、実は日本も、核兵器開発につながる技術は着々と水面下で進められているはずである。
青森県六ヶ所村では、1年間で長崎型原爆1000発分に当たるプルトニウムを取り出す計画らしいが、「原子力の平和利用」を口実にしたこの技術が、一体どのように悪用されて行くのか?
原水爆禁止日本国民会議 にそのあたりのことが記述されている。
また、同会議の別のエントリー「ついに放射能放出がはじまる」 では、以下の通りクリプトンやトリチウムという放射能が垂れ流しになるらしい。
<以下引用文>
これまで青森県六ヶ所村には、ウラン濃縮や低レベル放射性廃棄物などの原子力施設が押しつけられてきました。しかし再処理工場は、これまでとはまったく異なる施設であることに、ここでは注目してほしいと思います。それはこの工場の運転開始で、ついに放射能放出がはじまることです。
再処理工場とは原子力発電所から出てくる使用済みの燃料棒を数センチに剪断して化学処理をする施設のため、工場内には燃料棒に閉じこめられていた放射能が放出されます。もちろんそれらが一気に工場外の環境に出ていかないように努力はするのですが、除去設備をつくらなかったクリプトンやトリチウムは、そのまま放出されます。つまりたれ流しです。
工場設置の申請書によれば、排気筒からは毎年890万キュリーというクリプトンをはじめとする希ガスが、海洋放水管からは毎年18万キュリーというトリチウムなどが、なんの処理もせずたれ流されます。放出されるそれら放射能量は、原子力発電所の数百倍になります。
放射能は目に見えないし、すぐに被害が出てくるものではありません。その影響は20年後、30年後になって、ガンや白血病の増大となって表れるのです。それは1960年代、70年代に操業を開始したイギリスやフランスの再処理工場周辺で、いま現在起こっていることです。
そして事故の危険がいつもつきまといます。もし事故が起きたなら、その被害の規模は原子力発電所の1000倍におよぶといわれています。
再処理工場の運転開始をなんとしてもくいとめたい。この問題に注目し、署名活動や様々な活動に参加してください。
<引用終わり>
※署名用紙(PDF)は こちら からどうぞ。
プルトニウム再処理技術は、核兵器を作り、そのノウハウを輸出することさえできる。そして、原発も含め、国民の健康と命を奪うこれら原子力政策は、貧乏な地方を金の力で「ハイ」と返事をさせ、進められてきたものである。
日本の原子力政策は、一部の過激思想の政治家と、そこにつながる権力者たちの意思で進められてきた。
この問題を考えてみても、やはり今回の総選挙では”政権交代”である。
国民は政府に対し「非核三原則」の厳守を断固要請していかねばならない。
そして国民と向き合い国民のための政治を目指し、政権を担えるだけの力ある政党は”現状”、民主党だけである。
いや、最終的には民主党政権後に政界再編が必要なのであるが、とにかく今は、その第1ステップとして、政権交代しか手段はないのである。
その次期政権をと期待する民主党のマニフェストには、外交の部分で「核廃絶の先頭に立つ」と書かれているが、取り敢えず核について形式的に謳っただけである。
六ヶ所村の運転開始を阻止させることは、国民にとって、喫緊の課題の一つであると思う。
よって政権交代後、私たちは早急に新政府に対し要望を出す必要があると考える。
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