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2009年7月28日 (火)

国策捜査・国策裁判・冤罪の温床となる未成熟な三権分立の構造

このところ国策捜査や冤罪について考えさせられる機会が多くなった。
国策捜査と国策裁判の乱用、そして冤罪の乱発を是正するには、日本の未成熟な三権分立構造と関連する諸制度をあるべき形につくりなおすことが喫緊の課題であると考える。
ということで、次期政権に司法改革について考えてほしいことをざっと挙げてみた。

① 内閣による最高裁長官の指名権を廃し、行政権と司法権を完全に分立させること(政府による裁判所への干渉を廃絶すること)。
② 最高裁の持つ人事権を見直し、下級裁判所の裁判官が自らの意思と判断で判決を下せる環境を整備すること。
③ 判検交流を廃止し、検察による裁判官への影響力の無力化と裁判官の独立性を確保すること。
④ 最良証拠主義を廃し、米国のディスカバリー(証拠開示)制度と同様の制度を立ち上げること。
⑤ 裁判官の労働環境を改善し、正しい判決を下せるだけの十分な時間を与えること。
⑥ 識者・専門家・市民による、裁判官と判決への評価チェック制度を新設し、国政選挙以外の場で、裁判官の罷免申請を市民が行えるようにすること。
⑦ 検察審議会の影響力を強化すること。

上記案は、冤罪事件・国策裁判の大半が下記状況下で進められていることを背景とし、考えついたものである。

1.裁判官が担当する事件を大量に抱えすぎており、正しい判決を下すだけのまともな準備期間(時間)が取れない。
2.加えて、裁判官の昇格への人事権は最高裁が握っており、最高裁の意に添い、かつ処理件数を引き上げることが裁判官に求められている。
3.その最高裁の長官は内閣に指名される。要するに最高裁は内閣の意に背くことはできない。
4.裁判官と検察は相互交流し、3年間互いの仕事を経験する。そのため判決は検察寄りになり、冤罪が乱発されて当然である。
5.最良証拠主義というものがあり、検察は”有罪とするに都合の好い証拠しか提出しない””無罪となる可能性のある証拠は隠蔽できる”ため、裁判は検察の独壇場である。

直近では、明らかに国策と断言できる西松献金事件、その後の郵政不正事件(現役の厚労省局長 村木厚子氏が逮捕された事件)も国策であろう。過去にも国策捜査・国策裁判、或いはそれと疑わしきものは多く、小泉政権以降その数が非常に増加している。よく知られるところでは、第一次小泉内閣時に、現新党大地代表の鈴木宗男氏と当時外務省主任分析官であった佐藤優氏が犠牲になっている。
そして、植草一秀氏の痴漢冤罪事件も小泉政権による国策捜査によるものである。
本来、国策捜査は国家を陥れるような動向を事前に察知し、それを未然に防ぐためにあるのではないかと、私は考える。
しかし、我が国における国策捜査は、時の政権にとり不都合な者を社会的に抹殺するために行われており、国策の乱用としか考えられないものである。

冤罪事件では、足利事件の菅家利和さんが無罪となったが、まだまだ無罪となるべき被害者が大勢いらっしゃるのではないか。
例えば、 高知白バイ事故 や 愛媛県松山市白バイ事故 も明らかに冤罪である。いや、冤罪ではなく、警察による「自らの事故隠蔽と被害者を加害者とし起訴する犯人でっちあげ事件」である。

日本を法恥国家ではなく法治国家として成熟させるため、一人も多くの方にこの問題について考えていただきたい。
最後に、長くなるので引用は控えさせていただくが、作家 黒木亮(くろきりょう)氏による「日本の裁判官がおかしい (時代錯誤のエリート主義が生み出すトンデモ判決」をご紹介する。

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マスゴミの争点隠しに要注意!争点はマニフェストにあらず、最大の争点は自公政治への審判だ。今までの悪政への是非だ。 by SOBA@「雑談日記」

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